スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 6  会津は我らに愛と試練をくれました・・・! 会津紀行〈後編〉

会津の夜が明けて、朝ご飯を食べてすぐ駐車場(山あいの空き地)へ。切れたヘッドライトを取り外す作業に約3時間(もしかしてそれ以上?)。こうやってバラしてみると単純な構造が美しくて感動する(それはスバル360だから)。

前回は、会津の温泉と桧原湖へのドライブを楽しみ、すべてが素敵な旅となっていました。最後に期待を持たせて、とんでもないハプニングや思いもかけぬ出会い……と、レディーバードの旅のお約束が今回のお話です!



 40年前の車を現役で乗り回していると、いろいろなことが起こります。会津に向かう磐越道で、ヘッドライトが片方消えた! レディーバードの旅は「安全&順法運転」と決めている大貴誠は、旅先で自力修理にかかる。加藤モータース販売の加藤さんに電話で聞きながら調べたら、ライト切れと判明。よし、ライト交換だ。
 数十年を経て、鉄板と同化したようなネジを渾身の力でゆるめ(大貴誠の腕力はけっこうすごい)、強力なバネもはずし、可愛い丸い目玉を取り出す。小雨の中、2時間以上経過。

スバル360 ヘッドライト 大貴誠
取りつけたら何かヘンで、よく見たら上下逆さにつけていた。まん丸だから間違えちゃうのだ。焦ら
ずやり直し。



 そして新しい目玉を入れる……んですが、スペアタイヤはあってもスペア目玉は持ち歩いてない。会津若松近辺の自動車部品販売店に片っ端から電話すると「取り寄せます。1週間かかります」。今必要なんです。進退窮まり再び加藤さんにSOSすると「修理工場に中古部品が余ってたりするから聞いてごらん」と目からウロコのアドバイス。最初に電話した部品屋さんにもういっぺん電話して「かくかくしかじかで、そういう工場知りませんか?」と聞いたら「それなら□□町の○○自動車工場さん」と教えてくれました! すぐ電話すると「倉庫見てみます……ありました」「今すぐ行きます!」

スバル360 大貴誠
スペア用にライトをもう一つ買いに行っちゃいました。500円。もっと買い込みたい欲求を必死に抑
える。


 なんと、500円で中古美品の目玉(シールドビーム)入手できました! 宿の駐車場は暗闇で一寸先も見えないので、国道沿いの百均で工具を仕入れ、少々駐車場をお借りして街灯の下で目玉の入れ替え。そしてレディーバードはぱっちりと両目を開いたのでした。
 こうして会津の一日、目玉修理に没頭。終わっていきなりフラフラしたので何かと思ったら『空腹』。食事するのも忘れてました。旅先で旧車の自力修理はあまりやりたいものじゃないですが、可愛いレディーバードのこととなったら「やらずにはいられない」。


人物 大貴誠
人物 大貴誠
楽しみにしていた「山塩ラーメン」のお店は、無常にも休み(泣)。売店で山塩ジェラートを食べて
から、お土産の箱入り『山塩ラーメン』買って帰りましたとさ(家でつくって食べたらこの箱入り山
塩ラーメンがおいしかったんです。ああ、現地で熱々のプロの山塩ラーメンを食べたかった……)。


 そして、ガイドブックで見て「ぜったいおいしい」と確信した「山塩ラーメン」を、レディーバードで食べに行きたくてがんばったというのもあります。食事も忘れて没頭した修理は、食欲がモチベーションになっていたという、これもすごく大貴誠的。
 修理翌日、両目ぱっちりのレディーバードと大貴誠は元気よく桧原湖へ。美しい紅葉に彩られた湖畔道路を軽快に走って『桧原歴史館』到着。そこで山塩ラーメンが食べられるのです。「あれだ!」とクルマを乗り入れると入口がガッチリ閉ざされている。あっ……「火曜休館」の札。その日は火曜日。
 事前調査で火曜休館! とメモ帳に太字で書いておいたではないか。だから月曜日を桧原湖行きのスケジュールにしたのに、月曜は修理に夢中になってしまい、翌日の火曜は「やっと山塩ラーメンに行ける!」でアタマいっぱいで、定休日のことはきれいさっぱりどこかに飛んでしまっていたのでした。この顛末もほんとに大貴誠。

スパリゾートハワイアンズ
帰り道、どうしても寄りたかった『スパリゾートハワイアンズ』。遠回りだけど行きました。ショー
が再開されたばかりで、どうしても見たかったのです(歌劇団在団中から見たかった!)。ちょうど
やっていたのが「お客さんのフラダンス体験コーナー」で、本格的なショーを見られなくてちょっと
残念でしたが、決して多いといえないお客さんを、笑顔で楽しそうに指導してくれるフラガールたち
に、大貴誠はじわじわと感動がふくれあがっていました。「愛せば、愛されるんですね!」 

人物 大貴誠
スパリゾートハワイアンズの駐車場で、「スバル360乗ってたよ! 部品取りに何台も置いてた」とい
う地元のおじさんと。この旅でもたくさんの人に声をかけられ、クルマのこと、福島のことを話しま
した。レディーバードに乗っててよかった。福島に行って本当によかった。


 と、まあ、いろいろなことが今回も満載の旅でしたが、最後にフラガールの皆さんを見ることができて本当によかった。彼女たちの笑顔は、何かをゆっくりと良いものに変えてくれそうな、温かいパワーがありました。この旅では福島の人たちにはほんとにお世話になって、たくさんの思い出をいただきました。その思い出を荷台につめこんで、レディーバードと大貴誠は、元気に次の目的地を目指すのです。



人物 大貴誠
大貴 誠(だいき・まこと)  OSK日本歌劇団・元男役トップスター。ノスヒロをむさぼり読んでい
た日本で唯一の歌劇スター。2010年夏、念願のスバル360を入手。このクルマと一緒に日本中を旅
する。2019年の現在も継続中。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年4月号 Vol.150(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Rueka Aoki/青木るえか photo:Rumi Matsushita/松下るみ

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