「壊れるかもしれないと臆病にならず、まずは乗ってみましょうよ!」|1969年式 トヨペット クラウン ハードトップ Vol.1

2ドアハードトップにだけ許された角型2灯ヘッドライトに、高級車としてのプライドが垣間見える。ドアミラーは、同じ69年式のシボレーカマロ用を拝借。

       
【1969年式 トヨペット クラウン ハードトップ Vol.1】

 スポーティーさよりも優雅さのほうの印象が強い50系クラウン ハードトップ。加えてチューニングパーツも皆無とくれば、エンジンをチューンナップするのは絶望的かと思いきや、あえてその難題に挑んだ一台がいた。

 FCRキャブを軸に作り込まれたエンジンルームを見れば、モディファイの世界に限界がないことを改めて実感! 

 トヨタのM型エンジンは、同社初のSOHCエンジンとして1965年に40系クラウンに搭載され、以後30年以上も現役を続けたタフな存在だ。だが、レースやラリーで重宝された4気筒の18R‐G型や2T‐G型とは異なり、トヨタ2000GT用にヘッドをツインカム化した3M型以外は、あくまでも市販高級車ユーズがメイン。そのためチューニングのためのパーツなどは皆無で、M型をイジろうとする挑戦者など、ほぼゼロといっていいほどだ。

「壊れるかもしれないと臆病にならず、まずは乗ってみましょうよ!」と、旧車の輪を広げるオーナーなど【写真23枚】




ワイパーアーム取り付け位置付近に刻まれるスリットを埋める。細かなことだが、これだけでボディのなめらかさを大きく強調できるから不思議だ。






本来、バンパー右下にあるマフラーを避けるための凹みをなくし、スムーズなリアビューを構築。






「壊れるかもしれないと臆病にならず、まずは乗ってみましょうよ!」と、旧車の輪を広げるオーナー。宇都宮でクラウン中心のお店「ケンオートモービル」を経営する。



【2】【3】に続く

1969年式 トヨペット クラウン ハードトップ
SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア : ヘッドライトH4化/69年式シボレーカマロ•ドアミ
 ラー/ワイパーアームツヤ消しブラックペイント/ワイパーカウル
スムージング/リアボディ下マフラー出口スムージング
● エンジン : スムージング&ポリッシュヘッドカバー/ワンオフアルミ
削り出しオイルフィラーキャップ/オレンジペイントブロック/
GX81用パワステポンプ/ワイヤータック/シェイブドベイ  (ヒーターファンダクト位置加工)
● 点火系 : MS110用フルトラデスビ/プラグコードヒドゥン
● 燃料系 : FJ20型用燃料ポンプ/ホーリー•レギュレーター
● 吸排気系 : ケイヒンFCRキャブφ35mm×6/エスコート製M型
 用インテークマニホールド/トラスト製トヨタ他車用タコ足改/
ワンオフスチールデュアルマフラー
● 冷却系 : MS60用ラジエーター(コアサポートビルドインタイプ)
MS110用ウオーターポンプ&ウオーターポンプケース
● 駆動系 : MS110用5速ミッション/プロペラシャフト/
MS130用ホーシング(片側17mm切り詰め)
● サスペンション : 前後アッパー&ロワアーム取り付け位置変更
 (F)MS130用純正エアサス/ワンオフドロップスペーサー
 (R)ベローズ式エアバッグ、ムーンアイズ製ショック/
 調整式ラテラルロッド
● ブレーキ : (F)MS110用ベンチレーテッドディスク/
軽自動車用マスターバック流用
● インテリア : ムーンアイズ製タコメーター/
エアサス用プレッシャーゲージ/電動ファンコントローラー
● タイヤ : BFグッドリッチ ラジアルT/A 215/60R15
● ホイール : アメリカンレベル•スプリント 15×8.0J +6



初出:ノスタルジックスピード 2015年11月 Vol.008(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 トヨペット クラウン ハードトップ(全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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