ナンバーを取得するための最低限の装備を着け公道復帰|1971年式 いすゞベレット 1800 GT Vol.3

前後バンパーレスのスパルタンなスタイルは、いかにも「 和製アルファ・ロメオ」らしい雰囲気で、中西さんの好みにピッタリ。

       
【1971年式 いすゞベレット 1800 GT Vol.3】

【2】から続く

 Pクラス仕様となっていたベレGは、1800GTがベース。レギュレーションギリギリまでチューンナップされているようで、G180型エンジンは、純正のSUツインキャブ仕様ながら、ノーマルとは比較できないくらいパワフルで、レスポンスも抜群。当然、ボディは軽量化され、レース用の装備、足回りにチューンされていた。しかし、予想以上に軽快で、乗っていて楽しいクルマだったそうだ。

 ただし、元がレースカーのため、ナンバーを取得するための最低限の装備を着ける必要があった。まず、排気系は音量が抑えるためにサブマフラーを追加。ヘッドライト、ホーン、ウインカーなどを取り付け、車検を取得。前オーナーがレースカーにする前に、乗車定員2名、車重と車高も公認を受けていたため、このレーシーな風貌のまま、ベレGは無事に公道復帰となった。


 その後は、Sタイヤ用の中山サーキット仕様だった足回りを、ストリート仕様にセッティング変更している。

「20数年前は、GX71やZ32、レパードなどに乗ってました。その後は、VWやBMW、旧ミニ、アルファ、ポルシェ、フェラーリなどに乗りました。ベレGは20数年ぶりの国産車です。構えずに、気軽に乗れるのが気に入っています」とオーナー。ますます国産旧車の深みにハマりそうな予感がする。




取材のために急きょエンジン搭載状態でペイントしたというエンジンルーム。詳細は不明ながら、JAFのPクラス(プロダクション)ギリギリのチューニングが施されているG180型エンジン。純正のSUツインキャブ仕様だが、レーシングチューンされているだけあって、鋭いレスポンスはまったくの別物。





水冷直列4気筒SOHC1817ccのG180型エンジンは、115ps/15.5kgmを誇った。ヘッドカバーのデザインも独特。





リアはアルフィンドラム。リーフスプリングの取り付け部にアルミ製カラーを使ってセッティング。


115ps/15.5kgmを誇った、水冷直列4気筒SOHC1817ccのG180型エンジン。MK63を採用したフロントブレーキなど【写真18枚】


1971年式 いすゞベレット 1800 GT(PR95)
SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:ボディ全塗装(ロータスグリーン)/FRバンパーレス/
Fアウトレットアルミ網張り/Rアウトレットパテ埋め/牽引フック/
ボンネットピン/HIDヘッドライト
● エンジン:G180型Pクラスレース仕様
● 吸排気系:SUツインキャブ/ワンオフマフラー
● 点火系:フルトラ化
● 足回り:コニ製ショック(減衰力調整式)/ワンオフ車高調/強化スタビ
● ブレーキ:(F)MK63+ベンチレーテッドディスク、ステンメッシュホース
● 補強系:4点式ロールバー
● タイヤ:175/60R13
● ホイール:SSR Mk1 13×7J
● 内装:ナルディ製ステアリング/オートルック製チェックマンバケットシート/
永井電子製ULTRAステッピングタコメーター/ウイランズ4点式ハーネス/
消火器/キルスイッチ/プッシュスタート



初出:ノスタルジックスピード 2015年11月 Vol.008(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 いすゞベレット 1800 GT(全3記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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