2度のハコ換え「ほとんどの部分に手を入れている」800kg近くにまで減量|1968年式 日産 ブルーバード クーペ1800 SSS  Vol.2

ボディカラーは純正色ではなく、伝統のサファリブラウンをイメージして調色したものだそうだ。貴重なヨーロッパ用テールレンズ、US用ドアミラー装着で、外観の仕上げもソツがない。

       
【1968年式 日産 ブルーバード クーペ1800 SSS  Vol.2】

【1】から続く
 
 オーナーが選んだシーンは、直線勝負のドラッグレース。

 旧車が好きだったこと、おじさんがすでにドラッグレースをしていたことなどの条件が重なり、かれこれ10年以上も0‐400mに没頭している。そのすべてを共にしてきた510ブルは、2度のハコ換えを経て、ご覧のクーペで3台目だ。エンジンは最初に乗ったクーペに積まれていたL18型をベースに、ヘッド回りと腰下をそれぞれ一度交換。

 「ほとんどの部分に手を入れている(笑)」という彼の言葉にウソはなく、オートサービスワタナベ製ピストンに始まりヘッドのフル加工、OER初期型のφ50mmキャブ、タコ足などにより、L型4気筒のポテンシャルを推定250psにまでハネ上げている。

 レースカーにとって軽量化は必須課題。純正で900kgを越える車体は、「800kgちょい」にまで減量済みだ。具体的にはバンパー、ボンネット、フェンダーなどの外装のFRP化とリアシート&内張撤去による軽量化。さらに、フロント以外をアクリルウインドーに交換したり、ヒーターや、必要のないハーネスまで取り除いているというから、本気のほどがうかがい知れる。


前後バンパー、ボンネット、フェンダーなどをFRP製に交換。さらに、フロント以外のウインドーガラスをアクリルに変更するなど、徹底した軽量化が行われているボディ周りなど【写真24枚】





ピストン&コンロッドの交換、ケツ切り&一本キー加工のフルカウンタークランク、ヘッドのフル加工と、L18型エンジンの内部には考えられる最良の策が施されている。






エンジンルーム内にあるMSDのSSコイルは、NGKグリーンプラグとセットで、もっぱら街乗り時に使っている。レースとストリート、2つのシチュエーションのために2系統の点火システムを用意しているのだ。






わずかなパワーロスも防ぐために、クランクプーリーからベルトで駆動する純正ウオーターポンプを外し、CSR製の電動ウオーターポンプを採用している。


【3】に続く


1968年式 日産 ブルーバード クーペ1800 SSS (KH510)
SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:サファリブラウン風オールペイント/サウスコーポレーション製ボンネット、Fフェンダー、
 フロントエプロン/リフレッシュ60製FRPバンパー/カーボン製ドア/FRPトランクリッド/
 マーシャル製ハロゲンライト/輸出仕様ドアミラー、フロントウインカーレンズ、
  70年型欧州セダン仕様テールレンズ/フロントウインドー以外アクリル化
● エンジン:オートサービスワタナベ製φ89mmピストン、コンロッド、バルブスプリング流用、
燃料ポンプ、レギュレーター/SKφ50mmキャブレター/ヘッドフル加工/ワンオフカムシャフト/
ケツ切り&一本キー加工済みフルカウンタークランクシャフト/サニー用ラジエーター流用/
K型エンジン用オルタネーター/CSR製電動ウオーターポンプ/ATI製クランクダンパー/
リフレッシュ60製キャッチタンク/アールズ製フィッティング
● 吸排気系:リフレッシュ60製φ50mmインテークマニホールド/OER初期型(SK)φ50mmキャブレター/
 アルティア製4-2-1エキゾーストマニホールド/Kハウス製ワンオフステンレスマフラー
● 点火系:MSD製7L-2+プロパーコイル、MSD製ストリートファイア+SSコイル(2セット)、プラグコード/
 NGK製グリーンプラグ
● 駆動系:日産71Cミッション/亀有製71C用クロスミッション/
OS技研製L6用ツインクラッチ/R180デフ(ファイナル5.1、デフロック)
● 足回り:ビルズ製ワンオフ車高調、(F)マナティレーシング製ワンオフロワアーム
● ブレーキ:(F)S130Z用加工ディスクブレーキ、(R)S30Z用アルフィンドラム
● 補強系:フロント用ストラットタワーバーをトランク内に設置
● タイヤ:(F)コンチネンタル コンチスポーツコンタクトEP 135/70-15 (R)ミッキートンプソン205/50-15
● ホイール:ホールショット製ホールプロ (F)15×4J (R)15×7J
● 内装:グランツ製φ34mmステアリング/トータルショップスティルウェイ製ドラッグシフター/
JAZ製アルミニウムシート/シンプソン製4点式ハーネス/
オートメーター製メーター(水温、油温、油圧、空燃比、燃圧、回転、電圧、燃料)


初出:ノスタルジックスピード 2015年11月 Vol.008(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 日産 ブルーバード クーペ1800 SSS (全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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