【1991年-1999年】日本の高級車をリードし、その発展に大きく貢献したライバル|セド・グロ vs クラウン Vol.2

セド・グロはグランツーリスモをイメージリーダーに。クラウンはスポーティーなアスリートシリーズを設定。

       
【セド・グロ vs クラウン Vol.2】

【1】から続く

 80年代後半から90年代の両車は、進む道に明確な違いが表れたのが特徴だ。クラウンはより高級感を押し出し、コンサバティブだが高い品質と快適性を強調。一方のセド・グロはグランツーリスモをイメージリーダーに、スポーティー路線を色濃くした。

 そんな直接対決は、Y34セド・グロの生産終了で終わりを告げた。セドリック44年、グロリア45年の歴史はこの世代で幕を下ろし、後継車種のフーガへとバトンを渡したのだ。そのフーガはグローバルモデルとして開発され、海外ではインフィニティブランドで販売されるように、プレミアムサルーンに昇華した。クラウンは現行モデルで14代目となり、間もなく60年に手が届く歴史はいまだに続いている。この間、一貫して国内専用を基本に開発されてきたのがクラウンの特徴で、これが日本人に愛されるゆえんなのかもしれない。

 さて、クラウンとセド・グロ。この両車が日本の高級車をリードし、その発展に大きく貢献したことは語るまでもない。そして、図式がクラウン対フーガに変わった今もその伝統は受け継がれ、さらなる高みを目指している。


1991年-1999年 「オニクラ」の愛称で親しまれた6代目S110クラウンなど【写真12枚】

1991年

1991年6月 Y32
Y31で人気を集めたグランツーリスモシリーズを本格的に展開。ブロアム系を角形ライト、グランツーリスモ系を丸目4灯ライトと差別化を図ったのが特徴で、これが奏功しグランツーリスモは爆発的にヒット。





1991年10月 S140
全車3ナンバーボディとなった9代目は、これまでのハードトップを「ロイヤルシリーズ」とした。また、さらなる上級車種としてマジェスタを用意し、こちらに4LV8を搭載。クラウンは3Lまでとして差別化を図った。




1995年

1995年6月 Y33
Y30から3世代にわたって搭載されてきたVG型エンジンが新世代のVQ型に変更され(一部上級グレードのみ)、さらなる動力性能の向上を図る。この世代でもブロアム系とグランツーリスモ系の展開を継承した。






1995年8月 S150

クラウン誕生40周年という記念すべき年に生まれた10代目。この世代からロイヤルシリーズにもフルモノコックボディを採用し、軽量化や快適性だけでなく、走行性能の向上を果たした。





1999年

1999年6月 Y34
Y31から続いたブロアムシリーズとグランツーリスモシリーズを廃止し、セドリックは「ノーブル(高貴な)」、グロリアは「ダイナミック」というキャラクターが与えられ、両車の差別化を図った(後にグロリアにグランツーリスモが復活)。





1999年9月 S170
20世紀最後のクラウン。ハードトップに別れを告げ、11代目からサッシを持つ4ドアセダンとなった。また、ロイヤルシリーズと並んで、スポーティーなアスリートシリーズを設定。S120系以来14年ぶりにターボが復活。



初出:ハチマルヒーロー 2013年 11月号 vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


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text : Rino Creative/リノクリエイティブ

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