搭載エンジンを一新し、V型6気筒エンジン「VG型」を搭載へ|1983年式 日産 グロリア 4ドア セダン V30E ブロアム Vol.2

新開発のVG型エンジンは、従来のL型に比べてエンジン全長を200mm短縮し、重量も10kgの軽量化を実現。

       
【1983年式 グロリア 4ドア セダン V30E ブロアム Vol.2】

【1】から続く

 そして、最大の進化であるとともにライバルへのアドバンテージが、搭載エンジンの一新だ。

 Y30はメルセデス・ベンツをはじめとする世界の名だたる高級車がそうであるように、V型エンジンへと移行した。日産初のV型エンジンとなる新開発のVG型は、シリンダーバンク角を60度に設定することで等間隔爆発を実現。これにより全域にわたりスムーズな吹け上がりが可能となり、高出力・高回転を生むオーバースクエア&ショートストロークのシリンダーと併せて、ハイパワーかつ高い静粛性を両立させたのだった。

 もちろん、セド・グロの代名詞ともいうべきターボエンジンも投入。3L、2Lともに設定されたターボ仕様は、同排気量の自然吸気と比べて、それぞれ50 ps、40 psものパワーアップを果たしている。このターボエンジンを頂点に、VG型は高い動力性能と静粛性、スムーズさという、まさに高級車にふさわしい特性で時代をリードした。


Y30デビュー時の最上級グレードのブロアムのエンブレムや、塗装によりリフレッシュされたVG30E型のヘッドカバーなど【写真19枚】




自然吸気のVG30E型エンジンは、430グロリアのL28E型から25psものパワーアップを果たしている。ターボのVG30ET型にいたっては230psのハイパワー。ヘッドカバーは塗装によりリフレッシュ済み。





新開発のVG型エンジンは、従来のL型に比べてエンジン全長を200mm短縮し、重量も10kgの軽量化を実現。





3Lモデルはフロントおよびリアバンパーが大型化され、3ナンバー登録となる。これは80年代で広く採用された手法。リアコンビランプ横のスリットは、室内の空気が抜けるエアアウトレットになっている。また、後期型のリアコンビランプはウインカーが上部にくるデザインに変更。

【3】【4】に続く

1983年式 グロリア 4ドア セダン V30E ブロアム(PY30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4860×1720×1435
ホイールベース(mm) 2730
トレッド前/後(mm) 1430/1400
車両重量(kg) 1460
エンジン型式 VG30E型
エンジン種類 V型6気筒SOHC
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps/rpm) 180/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 26.5/4000
変速比 1速 2.458/2速 1.458/3速 1.000/4速 0.686/後退 2.182
最終減速比 3.889
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/4リンクコイル
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ前・後 185SR14(前後とも)
発売当時価格 338.8万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年 11月号 vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 グロリア 4ドア セダン V30E ブロアム(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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