最高速度160km/h! 国産ディーゼル史上空前の動力性能のGT|1981年式 日産 スカイライン セダン 280D GT・Lタイプ Vol.2

「これが、世界最速を競うディーゼルGTだ! 」とうたったジャパンディーゼル。富士スピードウェイを160km/hという高速で周回し、「これはすごいよ! 」と高橋国光さんが思わず歓声をあげるほど高性能を誇った。

       
【1981年式 日産 スカイライン セダン 280D GT・Lタイプ Vol.2】

【1】から続く

 1979年7月には、ヘッドランプを丸形4灯から角形2灯式に変更するなど、マイナーチェンジが行われた。しかし、先代からDOHCエンジンを搭載するライバルのセリカは、「名ばかりのGT達は、道をあける」、「ツインカムを語らずに、真のGTは語れない」というキャッチコーピーで登場。スカイラインのプライドは大きく傷付くことになった。

 転機となったのは、1980年4月に登場したL20ET型ターボチャージャー付きエンジンを搭載した「スカイライン2000GTターボ」の発売だ。

 さらに、2カ月後の6月には「スカイライン280D GT」が発売となる。エンジンは6気筒LD28型SOHCで、ボッシュ式分配型噴射ポンプを採用し、91 ps/17.3kg‐mを発揮。0‐400m加速18.7秒、最高速度160km/hという、当時の国産ディーゼル乗用車としては、史上空前の動力性能を誇るものとなっていた。


角形2灯ヘッドライト中央にはレイアウトされる、グリルと同様の「S」マークが入るジャパン専用エンブレムなど【写真18枚】




ヘッドカバーには、「NISSAN OHC DIESEL」の文字が刻まれている。





当時としては、「静寂」、「軽量」、「高回転」、「省エネルギー」を実現するため、「ボルト1本から乗用車のために開発された」6気筒SOHCのLD28型エンジン。そのポテンシャルは2Lガソリン車とは比べものにならない強大なトルクゾーンを誇っていた。





トランク右上の給油口を開くと、中には「軽油に限る」と書かれた当時のステッカーが貼られていた。




1981年式 日産 スカイライン セダン 280D GT・Lタイプ(EGC211)
SPECIFICATON 諸元
全長 4600mm
全幅 1625mm
全高 1390mm
ホイールベース 2615mm
トレッド 前/後1370/1350mm
最低地上高 160mm
室内長 1790mm
室内幅 1360mm
室内高 1115mm
車両重量 1245kg
乗車定員 5名
登坂能力 tanθ0.43
最小回転半径 5.2m
エンジン型 LD28型
エンジン種類 直列6気筒SOHCディーゼル
総排気量 2792cc
圧縮比 22.0:1
最高出力 91ps/4600rpm
最大トルク 17.3kg-m/2400rpm
燃料供給装置 分配型噴射ポンプ(ボッシュ式)
変速比 1速 3.21/2速 2.077/3速 1.308/4速 1.000/5速 0.752/後退 3.382
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション 前/後ストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ 前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも 185/70SR14
発売当時価格 152.5万円



【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 02月 Vol.167 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 日産 スカイライン セダン 280D GT・Lタイプ(全3記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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