ケンとメリーのGT-R、その光と影|1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.1

リアガーニッシュの文字スカイラインのデザインに多大な影響を与えているドーナツ形のテールレンズ。

       
【1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R Vol.1】

 1972年9月にリリースされた4代目スカイラインは、めくらむほどの強い光と暗い影に彩られたモデルだ。

「ケンとメリーのスカイライン」というキャッチコピーの下、男女2人のモデルを起用、傘を使ったアイコンの宣伝戦略が奏功し、歴代をしのぐ67万台以上の販売台数を達成したことが「光」ならば、2代目S54、3代目C10と戦歴を重ねてきたレース活動からの撤退が「影」といえるだろう。

 時代が求めた大きくて華やかなボディは、前モデルの2ドアハードトップGT-R(KPGC10)と比べ、全長+70mm、全幅+30mm、ホイールベース+40mm、車重+45kgをもたらし、確かにレースフィールドで戦ううえでのスペックとしては満足のいくものではなかった。それが同時に4輪ディスクブレーキの採用、175HR14のラジアルタイヤ標準装備、ホイール幅拡大、ステアリング小径化など、スパルタンな走りを予感させる新装備を秘めていたとしてもだ。


宮本自動車で約3年の期間をかけてレストアを敢行したときの様子など【写真22枚】




リアクオーター右側にあるピーラバッヂは、空気を排出させるドラフター。盗難防止の意味から純正補用品を装着していた。もちろん、Rの脚が長い純正品もお持ちだそうだ。





フロントグリルで威光を放つGT-Rのエンブレム。Rにだけ使う赤色が、レーシーさをかきたてる。






ケンとメリーのGT-R、その光と影




1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(KPGC110)
SPECIFICATON 諸元
全長 4460mm
全幅 1695mm
全高 1380mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1395/1375mm
最低地上高 165mm
室内長 1790mm
室内幅 1340mm
室内高 1125mm
車両重量 1145kg
乗車定員 5名
最高速度 200km/h
登坂能力 tanθ0.46
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps/7000rpm
最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
変速比 1速 2.906/2速 1.902/3速 1.308/4速 1.000/5速 0.864 後退 3.382
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 55L
ステアリング形式 ボールナット
サスペンション 前/後ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前後とも ディスク
タイヤ前後とも 175HR14
発売当時価格 163万円



【2】【3】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 02月 Vol.167 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(全3記事)


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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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