ポルシェ904をリードしたスカイラインGT。元祖「羊の皮を被った狼」|1966年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B Vol.1

元祖「羊の皮を被った狼」。

       
【1966年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B Vol.1】

 高い技術力を誇っていたプリンスが、威信をかけて開発したのが、スカイラインGT。

 開発の発端となったのは、1963年5月3、4日に鈴鹿サーキットで開催された「第1回日本グランプリ」における、スカイラインスポーツの惨敗にあった。そこで、翌1964年5月2、3日に開催される「第2回日本グランプリ」に向け、プリンスのプライドをかけ、雪辱を晴らすために開発されたのが、スカイラインGT。ただし、ホモロゲーションを取るために100台限定での生産だった。

 レースでは、生沢徹の駆る41番のスカイラインGTが、1周だけではあるが式場壮吉が駆る純レーシングカーであるポルシェ904をリード。そのスカイラインの勇姿を見た観客は狂喜乱舞し、スカイライン伝説が誕生した。

「P」をモチーフにしたボンネット先端のアンチモニー製エンブレムや、丸ではなく、指をかけやすいように切り欠きのあるドアのキーシリンダーのカバーなど【写真21枚】




タテ型グリルと白いプリンスバッジがⅡ型の特徴。11本グリルはアンチモニー製で、極初期は10本のアルミ合金製だったそうだ。






ホイールは、珍しいビッグライトの13×5Jを装着。タイヤはアドバン・ネオバの175/60R13。赤バッチの伝統は、GT-Bから始まり、贅沢な七宝焼きが採用された。






ドアのキーシリンダーのカバーは丸ではなく、指をかけやすいように切り欠きがある。


【2】【3】に続く

1966年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B(S54B-2)
SPECIFICATION 諸元
全長 4255mm
全幅 1495mm
全高 1410mm
ホイールベース 2590mm
トレッド前/後 1265/1255mm
最低地上高 155mm
室内長 1675mm
室内幅 1275mm
室内高 1115mm
車両重量 1070kg
乗車定員 5名
最高速度 180km/h
登坂能力 sinθ0.502
最小回転半径 5.25m
エンジン型式 G7型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量 1988cc
ボア×ストローク 75.0×75.0mm
圧縮比 9.3:1
最高出力 125ps/5600rpm
最大トルク 17.0kg-m/4400rpm
キャブレターウエーバー 40DCOE×3
変速比 1速2.851/2速1.854/3速1.378/4速1.000/5速0.810/後退3.564
最終減速比 4.444
燃料タンク容量99L
ステアリング形式 /リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 独立ウイッシュボーン・コイル/リジッド半楕円リーフ
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 5.60-13-6PR
発売当時価格 89.5万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 02月 Vol.167 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1966年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B(全3記事)

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photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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