30度バンクってプラグコード抜けるの!? 最強プライベーター48号車を復刻|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R JCCA P-2仕様(久保田レプリカ) Vol.1

日本初のDOHC24バルブ方式を採用したS20型直列6気筒エンジン。キャブはソレックス40PHHを3連装。駆動系もノーマルで、ミッションがF5C71A、デフはR192、ファイナルは4.444のまま。

       
【1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R JCCA P-2仕様(久保田レプリカ) Vol.1】

久保田洋史をヒーローに押し上げたGT-R

 スカイライン2000 GT-Bでテクニックを磨いた久保田洋史さんは、レース参戦のためにPGC10を購入。そのままレース車に仕立て、1969年6月29日の「富士300kmゴールデンレース第2戦」でデビュー。10月の日本グランプリではワークスを相手に8位で完走。その時のマシンが48番車だ。




 日本のモータースポーツ史に、不滅の金字塔を残した高性能スポーツセダンが、PGC10の型式を与えられたスカイライン2000GT‐Rである。鮮烈なデビューを飾るのは、1969年2月だ。正式発表と同時に、5月に開催されるJAFグランプリのクラブマンⅣレースに出場させるため、急ピッチでレーシング仕様に改造された。

 GT‐Rは用意されていたスポーツキットを組み込むだけでレースに出場できるほど素性がいい。だが、当時としては群を抜いて高性能だったため、うまく操るには高度なテクニックを必要とする。この扱いづらいマシンを意のままに操り、GT‐R50勝の偉業に大きく貢献したのが久保田洋史さんだ。レース人生のほとんどを、PGC10とKPGC10GT‐Rで戦い、ワークス勢と互角以上に渡り合っている。


富士スピードウェイの30度バンクでのプラグコード抜け防止対策を再現したS20型エンジンや、ボディの左サイドからは出るレース仕様のデュアルエキゾーストなど【写真22枚】




1969年6月に久保田洋史さんがレースデビューの際に乗ったゼッケン48番のGT-Rを忠実に再現した。外観はオリジナルに限りなく近い。





必要なもの以外を取り外したインパネはレーシーな男の仕事場となっている。左側のタコメーターは、ゼロが下にくるスポーツコーナータイプで、ステアリングも当時のワークスと同じマッハを装着。

【2】に続く


1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R JCCA P-2仕様(久保田レプリカ)(PGC10)
SPECIFICATIONS 諸元
●外装:JCCA P-2仕様(久保田レプリカ:シルバー/イエロー、ヘッドライトカバー、グリルレス、ゼッケン48番)
●エンジン:S20型(プロダクション仕様)、K4ヘッド、ワークスタイプヘッドカバー&プラグコード、永井電子ウルトラMDI(旧仕様SCAユニット付き)、IC70Aオルタネーター、ワークスタイプオイルキャッチタンク、タテ置きオイルクーラー、燃圧計付き燃圧レギュレーター
●吸気系:ソレックス40PHH×3、ピロターンバックル
●排気系:タコ足変更、サイド出しデュアルマフラー
●駆動系:71Aミッション、デフR192
●足回り:VICTORY50オリジナルショック&スプリング
●ブレーキ:レース用パッド&ライニング
●ホイール:RSワタナベ 15×6J
●タイヤ:ヨコハマ アドバン ネオバ 195/50R15
●内装:マッハステアリング、Z432R用バケットシート、スポーツコーナータイプタコメーター、アルミ製メーターパネル、KS製油圧計、水温計、大森製油温計、LAP SHOT、キルスイッチ、JAF規定6点式ロールケージ、ウィランズ5点式フルハーネス(ワークスタイプパッド付き)、アルミ製ドア内張り、ワークスタイプレース用ワイドミラー、消火器


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 02月 Vol.167 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R JCCA P-2仕様(久保田レプリカ)(全2記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : ISAO YATSUI/谷井 功、MASAMI SATO/佐藤正巳

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