若いころの夢、希少グレードを手に入れる|1988年式 いすゞ ピアッツァ XS/G Vol.3

塗装が劣化したため今年8月にオールペン。本来はリアスポイラー付きだがオリジナルデザインが好きということで、外して穴埋め処理を施した。

       
【1988年式 いすゞ ピアッツァ XS/G Vol.3】

【2】から続く

 ここで紹介するのは1987年に新設されたXS/G。販売期間わずか1年半ほどという希少なグレードで、イルムシャーと同じチューンドサスを採用し、ワイドタイヤを装着。また、専用のレカロシートを装着するなど、スポーティーテイストをアップさせた仕様に仕立てられていた。

 この個体のオーナーは、初めての愛車がピアッツァだった。しかしそれは、廉価グレードのXJ。当時は初代ソアラや2代目プレリュード全盛の時代だったが、斬新なスタイリングにほれ込んで購入した。ただ、しばらくするとターボモデルやイルムシャーが登場。それらに強い憧れを抱き、毎晩カタログを眺めていたというオーナー。

 しかし、そんな思いも社会人になるといつしか消滅。結婚して子供が生まれた後には、クルマは単なる移動ツールになってしまった。ただ、子供が大きくなって手がかからなくなってからは、好みのクルマを次々に乗り換え。そしてあるときインターネットでピアッツァを発見。当時の憧れが再熱し、状態の素晴らしさとXS/Gグレードということで購入を決意したという。

 長い期間を経て、若いころの夢が叶ったと話すオーナー。それだけに、愛車に対する思い入れもひとしおだろう。

SOHCながらターボを装着することで150ps(ネット値)を発揮した4ZC1型エンジンなど【写真20枚】

1988年式 いすゞ ピアッツァ XS/G(JR120)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4385×1655×1300
ホイールベース(mm)  2440
トレッド前/後(mm) 1360/1370
車両重量(kg)  1240
エンジン型式  4ZC1型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1994
ボア×ストローク(mm) 88.0×82.0
圧縮比 8.2:1
最高出力(ps/rpm) 150/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/3400
変速比 1速 2.452/2速 1.452/3速 1.000/4速 0.688/後退 2.212
最終減速比 3.583
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/3リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R14(前後とも)
発売当時価格 254.4万円



左側はワイパーやエアコン、右側はウインカーやクルーズコントロールなどのスイッチが設置されているサテライトスイッチ。下部のダイヤルで高さの調整が可能。





斬新な造形が随所に取り入れられたインパネ。現在ステアリングはMOMO・X-アビオンを装着しているが、最終的にはイルムシャー純正品を装着したいという。






シートはレカロ製のバケットタイプが標準。イルムシャーと同形状だが背面に「RECARO」の文字がなく、カラーや素材も異なる。



初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1988年式 いすゞ ピアッツァ XS/G(全3記事)


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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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