ライバルとのパワー競争の中、いすゞが出した答え|1988年式 いすゞ ピアッツァ XS/G Vol.2

ウエッジシェイプのデザインは真横から見るとよくわかる。加えて徹底的なフラッシュサーフェス化を施し、Cd値は0.36を実現。

       
【1988年式 いすゞ ピアッツァ XS/G Vol.2】

【1】から続く

 このように、デザインに注目が集まる一方で、走りに対する不満の声が多かったのも事実。デビュー当初のパワーユニットは、2L直列4気筒DOHCと同SOHCという2種の自然吸気。しかし当時はパワー競争の最中で、ターボエンジンを搭載するライバルたちに後れをとっていたのだ。そこでいすゞが出した答えが、インタークーラー付きターボエンジンの搭載。

 2L直4SOHCにターボをドッキングした4ZC1型は、既存のDOHCユニットから45psアップの180ps(後にネット150psに変更)を発揮。これで、ライバルたちに対抗できる運動性能を手に入れたのだ。ちなみに、先にデビューしたアスカにも同型エンジンが搭載されていたが、アスカはインタークーラー未装着のため最高出力は150psだったことも付け加えておこう。

 また、1985年にはドイツのチューナーであるイルムシャーがチューニングした「イルムシャー」を、1988年にはイギリス・ロータス社との技術提携から誕生した「ハンドリング・バイ・ロータス」をリリースし、ラインナップの拡充を図ったのである。

初代ピアッツァのもつ3種類のマスクのうち、2灯ライトとクオーターカバー付き電動リトラの組み合わせのフロントフェイスなど【写真20枚】


【3】に続く




SOHCながらターボを装着することで、150ps(ネット値)を発揮する4ZC1型エンジン。プラグコードはオーナーの好みで永井電子製に交換されている。





タービンはそれまで空冷式だったが、1987年のマイナーチェンジで水冷式へ。XS/Gはこのマイナーチェンジ時に登場したため後者となる。






ターボで吸入された空気を冷却するインタークーラーは、フロントコアサポート前に設置される。


1988年式 いすゞ ピアッツァ XS/G(JR120)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4385×1655×1300
ホイールベース(mm)  2440
トレッド前/後(mm) 1360/1370
車両重量(kg)  1240
エンジン型式  4ZC1型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1994
ボア×ストローク(mm) 88.0×82.0
圧縮比 8.2:1
最高出力(ps/rpm) 150/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/3400
変速比 1速 2.452/2速 1.452/3速 1.000/4速 0.688/後退 2.212
最終減速比 3.583
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/3リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R14(前後とも)
発売当時価格 254.4万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1988年式 いすゞ ピアッツァ XS/G(全4記事)


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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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