「最高のプレステージ・スペシャリティー」を支えた、2つのターボエンジン|1990年式 トヨタ ソアラ 2.0 GT ツインターボL Vol.1

空冷ICによって最強の名を得た、2つのツインカムターボエンジン。

       
【1990年式 トヨタ ソアラ 2.0 GT ツインターボL Vol.1】

「当時はまだ20代の若輩者でしたが、そんな私でもZ20ソアラの進化は本当に凄いと感じました。滑らかな加速感、自然なコーナリング……どれも気持ちがいいんです」。そう語るオーナー。1984年にZ10ソアラ前期型を中古で購入し、その後、Z20ソアラの前期型GT(2Lツインカム24)に乗り換えた。そのときの印象は、今でも鮮明に覚えているそうだ。

 国産車屈指のスペシャリティーカーという地位を一代で確立したZ10ソアラ。その後を受け継ぎ、1986年1月に華々しくデビューしたZ20ソアラは、デザインこそキープコンセプトだが、中身は大きく進化した。「最高のプレステージ・スペシャリティー」をテーマに、エレクトロマルチビジョンなど、時代の最先端を行く装備が話題となった。しかし、その神髄はメカニズムにある。

 トヨタ2000GT以来の4輪ダブルウイッシュボーンにはじまり、電子制御サスペンションTEMS、極めつけは世界初のモード切替式電子制御エアサスペンションまでも投入。最先端技術を惜しげもなく用いて走行性能の強化を図った。この土台があるからこそ活きるのが2つのターボエンジンだ。


「TWIN turbo」の文字が躍るバンパーモール。純正ディーラーオプションのマルチユースセンターコンソールなど【写真17枚】





後期型で変更された数少ない個所のひとつが、リアコンビランプ。後期型では上下3分割のデザインとなる。





唯一と言っていいカタログモデルからの変更点で、タイヤサイズが205/65R15となる。ミシュランを履きたかったためだそうだが、このサイズは3Lにオプション設定されていたので、オリジナルと言っても差し支えないだろう。






購入時不動だったサンルーフ。「部品はもう出てこない」と言われ諦めかけていたが、TSオートガレージに相談。補修部品を入手してくれて修理が完了したそうだ。

【2】【3】に続く


1990年式 トヨタ ソアラ 2.0 GT ツインターボL(GZ20)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4675×1695×1345
ホイールベース(mm)  2670
トレッド(mm) 1460(前後とも)
車両重量(kg) 1450
エンジン型式  1G-GTEU型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 210/6200
最大トルク(kg-m/rpm) 28.0/3800
変速比 1速 2.804/2速 1.531/3速 1.000/4速 0.705/後退 2.393
最終減速比 4.556
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 312.6万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 トヨタ ソアラ 2.0 GT ツインターボL(全3記事)

関連記事:魔性のターボパワー

関連記事: トヨタ ソアラ

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : DAIJIRO KORI/郡 大二郎

RECOMMENDED

RELATED

RANKING