トヨタの2.8Lツインカムが170psの時代に190psを発揮した2Lツインカムターボ|1983年式 日産 スカイライン HT 2000ターボRS Vol.2

もとのボディカラーはガンメタでコンディションも良かったが、オーナーの強い要望でレッド/ブラックにオールペンしたそうだ。

       

当時考えられる最強の組み合わせを、国産車で初めて実現

【1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボRS Vol.2】

【1】から続く

 DR30は4気筒であるがゆえ、GT‐Rを名乗れなかったのだ。しかし“RS”はレーシングスポーツの略。自然吸気ながら150psというパワーを発揮し、その名にふさわしいパフォーマンスを示して多くの人々を魅了したのである。

 スカイラインの新たなスポーツモデルとして多くのファンをとりこにしたRSだったが、1年数カ月後にはさらなる進化が待っていた。それが1983年2月に登場したターボRSだ。歴代スカイラインのどれよりもハイパワーだったことから、「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーが与えられたわけだが、それを現実化したのが新たに心臓部に迎えられたFJ20ET型である。

 このFJ20ET型は、既存のFJ20E型にターボをドッキング。つまり、4バルブDOHCとターボという当時考えられる最強の組み合わせを、国産車で初めて実現したのだ。核となるタービンは、輸出仕様向けエンジンのL28ET型に装着されていたギャレット・エアリサーチ社製T‐03型で、最高出力190ps、最大トルク23.0kg‐mという圧倒的なスペックを発揮。

 じつに、FJ20E型から40ps、4.5kg‐mのパワー&トルクアップを果たしたのである。当時のトヨタの2.8Lツインカムエンジンである5M‐GEU型が170psということを考えると、いかにハイパワーだったかということがわかるだろう。


分解して内部を再メッキされたヘッドライトなど【写真25枚】



シャシーパーツはすべて、高い防錆力を持つ電着塗装で仕上げられている。ドライブシャフトはリビルト品を組む。





マフラーは丸型サイレンサーのハーフステン。FJらしい心地良いサウンドを響かせてくれる。





フロントパイプはロードクリアランスを稼ぐため。ワンオフで製作。フロアに極力沿った形状になっているのだ。

【3】【4】に続く


1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボRS(DR30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4595×1665×1360
ホイールベース(mm)  2615
トレッド前/後(mm) 1410/1400
車両重量(kg)  1175
エンジン型式  FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89.0×80.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 190/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/4800
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.833/後退3.382
最終減速比 3.900
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R15(前後とも)


初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボRS(全4記事)

関連記事:魔性のターボパワー

関連記事: スカイライン

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING