「スポーツ走行は大好きですが、たまに市街地をゆっくりと流すのもたまりません」ゴム製パーツも適度に残したセットアップ|1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R Vol.4

排気量は2Lのままでフルチューン!  MSRの装着で240psオーバーを発揮。

       

排気量は2Lのままでフルチューン! MSRの装着で240psオーバーを発揮

【1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R Vol.4】

【3】から続く


 なお、シェイクダウンは11月に御嶽山で開催されるヒルクライムイベントを予定している。サーキットでの周回レースやタイムアタックと違い、ワンチャンスしかないので、Sタイヤよりも素早く熱が入るフージャーのターマック用ラリータイヤをチョイス。それを履かせるために、限定販売のTE37V SLもすでにオーダー済みだ。

 その後はホームコースの鈴鹿に持ち込み、自己ベストの更新を目論む。これまでのエンジンが230psを発生していたので、オーバーホールを施してMSRを装備したNEWエンジンでは「240psは発揮するだろう」と予想。2分47秒だったベストを大きく上回る2分45秒を目標タイムに掲げている。

 また、自力でのアタックだけではなく、「プロドライバーにもアタックして欲しいな」とオーナー。手塩に掛けて進化させてきたGT‐Rには、一体どれくらいのポテンシャルが潜むのか、オーナーとしてはすごく気になるところだ。「プロなら2分40秒を切るかも」と、期待を膨らませている。


OWNER’S VOICE

 すっかりサーキット専用の走行会仕様に仕上がっているが、「スポーツ走行は大好きですが、たまに市街地をゆっくりと流すのもたまりません」と、オーナーさん。そのため、サーキットに特化してガチガチのフルリジットにしてしまうのではなく、ブッシュやマウントなど、ゴム製パーツも適度に残しているのがポイント。もちろん2名乗車は公認を取得しているし、エアコンはないがヒーターやパワステといった最低限の快適装備は搭載している。




クラシカルなテイストを残しながらも、最新の機器も違和感なくインストールされたコクピットなど【写真35枚】



クワイフのシーケンシャルドグミッションは、もともとは、後期のKPGC10に搭載されていたものをフロントハウジングとセットで譲ってもらった。ただし、オーナーのKPGC10は前期のため、後期とはフロアトンネルの形状が異なる。搭載するにはフロアパネルのカットなどの大手術が必要となった。





エスコートのデフマウントメンバーで、デフの固定強度を改善。オイル容量をアップし、放熱性に優れたアルフィンカバーもエスコート製を装着。デフはR200に変更しており、ファイナルは4.6だ。


1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R(KPGC10)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:PROTEC製フロントスポイラー/リアスポイラー、FRPボンネット、トランク、カウルトップ、オーバーフェンダー/ブルーブラック全塗装
■エンジン:S20型改(240ps仕様:テクノモーティブ)/CP製φ83mm鍛造ピストン(WPC加工)/鍛造H断面コンロッド/NAPREC製フルカウンタークランク/L型用メタル/燃焼室ペントルーフ加工/ロングリフター/調整式カムスプロケット/チタンバルブリテーナー/強化バルブスプリング/ギア式オイルポンプ&オイルポンプギア
■点火系:MDI/PROTEC製プラグコード
■吸排気系:MSRφ45mm/YSガレージ製φ42.7mm手曲げタコ足/小澤商会製ワンオフマフラー
■冷却系:FLEX製アルミラジエーター/ラジエーター放熱塗装/日産レース用オイルクーラー
■駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ/ザウルス製カーボンプロペラシャフト/クワイフ製シーケンシャルドグミッション/R200デフ/エスコート製アルフィンカバー、ビレットデフマウント/軽量フライホイール
■サスペンション:ラバーソウル製車高調整式エナペタルショック(F:10kg/mm、R:22kg/mm)/キャスター調整式ピロアッパーマウント/シルビアハブ/SP-TEC製ハブ変換キット、調整式スイングアーム
■ブレーキ:(F)300mmガーランド製2ピースローター+APレーシング製PRO5000キャリパー、(R)280mmS14用ディクセル製スリットローター+S15スペックR用純正キャリパー
■インテリア:レカロSP-G+SR2/ワークスタイプ10000rpmタコメーター/大森製メーター(油温、水温、油圧、電圧)/亀有製メーター(燃圧)/HKS製ノックA/F計/東名製空燃比アナログメーター/S2000純正スタートスイッチ/SP8点式ロールバー
■タイヤ:HOOSIER製ターマック用(予定)(F/R)200/580R15
■ホイール:レイズ・ボルクレーシングTE37V SL
(F)15×9J-15、(R)15×9.5J-20(予定)


初出:ノスタルジックスピード 2015年11月 Vol.008 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R(全4記事)

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text:HIROSHI SHOMATSUMOTO/正松本 宏 photo:RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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