フロントミッドシップマシンと化したGT|北米スタイルハコスカ Vol.2

北米輸出されていないスカイラインをアメリカで乗る。

       
【1972年式 日産 スカイライン HT 2000GT Vol.2】

【1】から続く

 外観はフロントにもオーバーフェンダーを付けているが、基本的にはGT-R仕様。しかし太めのマフラーエンドは明らかにターボカーのそれで、エンジンはSR20DET型へとスワップされている。われわれ日本人の感覚からすると、もともと6気筒を搭載していたクルマに4気筒を積むのは、どこかグレードが下がるような気持ちがあるのだが、このハコスカのオーナーであるダリル・アリソンさんは、「軽量でパワフルなストリートカー」をコンセプトに、SR型ターボへのスワップをチョイス。現代の4気筒ターボエンジンなら、クラシックな6気筒エンジンよりもハイパワーなのは確かで、重量バランス的にもマスが車体中央に集中するので、ハンドリングも向上するというわけだ。

 作業を担当したのは、10年前から日本旧車へのエンジンスワップを多く手掛けている『ヴィルディーニ・モータースポーツ(※現在はクローズ)』。同ショップは既に240ZへのSR型ターボスワップを数多く手がけており、6気筒搭載車への4気筒ターボスワップのメリットを熟知。このハコスカも、ヴィルディーニのノウハウを生かし、フロントミッドシップマシンとして美しく仕上げられた。

1972年式 日産 スカイライン HT 2000GT
SPECIFICATION

●エンジン:SR20DET型換装/CPフォージド製ピストン(圧縮8.5:1)/ブライアンクロワー製264度カム&バルブスプリング/ギャレット製GT3076R.64A/Rボールベアリングターボ/Tial製38mmウエストゲート/ARP製コンロッドボルト/サード製850ccインジェクター/カスタムリアサンプアルミオイルパン/ウォルブロー製燃料ポンプ
●駆動系:300ZX用5速ミッション換装/Xcessive Manufacturing製トランスミッションアダプター&ショートシフター/ACT製プロライトフライホイール&強化クラッチ/スバル・STI用R180LSD
●足回り:(F)グランドコントロール製車高調/トキコ製イルミナショック/テクノ・トイ・チューニング製フロントキャンバープレート、(R)ラバーソウル製車高調、ビルシュタイン製ショートストロークショック/FUTOFAB製レアキャンバー&トー調整キット
●ブレーキ:(F)ウィルウッド製6ピストンブレーキキット (R)ウィルウッド製4ピストンブレーキキット/油圧サイドブレーキ/ウィルウッド製ブレーキマスターシリンダー/ティルトン製プロポーショニングバルブ
●ホイール:ROTA製RKR (F)17×7.5J (R)17×8.5J
●タイヤ:ファルケン製RT615K (F)215/40R17 (R)235/40R17)
●インテリア:ナルディ製340mmステアリング/ブリッド製ローマックスバケットシート/スピードハット製メーター/アペックスi製パワーFC/ブリッツ製ブーストコントローラー

ターボカーらしい太めのテールエンドを持つマフラーなど【写真17枚】





インテリアは過激なスペックを感じさせないノーマル然とした雰囲気。ステアリングはナルディ。



SR20型ターボ搭載、北米スタイルハコスカ。


【3】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2015年7月 Vol.007 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 スカイライン HT 2000GT(全4記事)

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text : TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義 photo : AKIO HIRANO/平野陽

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