TE47、TE71、AE86と乗り継いだオーナーがたどり着いた1台| 1975年式 トヨタ スプリンター クーペ 1600 トレノGT Vol.3

リアフェンダー後方には横長のスリットが設けられる。ちなみに、レビンはタテに3連のスリットだ。トランクリッドの右側に「Trueno」のエンブレムが装着される。

       

貴重なキャブ仕様のTE47

【 1975年式 トヨタ スプリンター クーペ 1600 トレノGT Vol.3】
 
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 ここで紹介するモスグリーンのトレノGTは、貴重なキャブ仕様のTE47だ。オーナーによると、後のTE61、TE65と基本的なスタイルは同じだが、細かい部分でTE47とそれ以降では違いがあるそうだ。

「まず、ヘッドライトにカバーが装着されているのはTE47だけです。グリルのデザインやウインカーの色も異なります。TE61、TE65では、大型化された衝撃吸収バンパーが採用されています。ボンネットのエアアウトレットは、TE47は別体式でしたが、ほかはボンネットにスリットが入っています。エンブレムやストライプなども変更されています」とレクチャーしてくれた。

 オーナーがこのTE47を手に入れるきっかけとなったのが、2009年。イギリス旧車好きの従兄弟が、たまたま「小倉自動車工業」に立ち寄り、そこでレストア中のこのTE47を見付けたのだ。その話を聞いたオーナーは、すぐにクルマを見に行き、購入を決意することになったそうだ。

「1978年から1980年の間、TE47トレノGTに乗っていたんです。その後は、TE71、AE86などを乗り継ぎ、結婚や子供が生まれたのを機にチェイサーに乗り換えました。でも、TE47が忘れられなくて、思い切って買うことに決めたんです」とオーナー。快調なTE47に大満足で、若い日を思い出しつつ、気持ちよくドライブを楽しんでいる。


TE27から受け継いだ2T-G型エンジンなど【写真26枚】



ズラッと8連で並んだメーターパネルが壮観なコクピット。センターコンソールは運転席側にオフセットしていて、操作しやすくなっている。





コンソールから生えているようなシフトレバーが特徴的。レバーを延長するエクステンションは、当時使っていたものを保管していて、装着している。






正統派スポーツクーペの理想像、スプリンタークーペ トレノGT


【4】に続く


1975年式 トヨタ スプリンター クーペ 1600 トレノGT(TE47)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4070mm
全幅 1600mm
全高 1300mm
ホイールベース 2370mm
トレッド前/後 1320/1335mm
最低地上高 150mm
室内長 1605mm
室内幅 1345mm
室内高 1065mm
車両重量 935kg
乗車定員 5名
最高速度 180km/h
登坂能力 tanθ0.67
最小回転半径 4.7m
エンジン型 2T-GR型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1588cc
圧縮比 8.8:1
最高出力 110ps/6000rpm
最大トルク 14.0kg-m/4800rpm
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861/後退 3.484
最終減速比 4.300
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット・コイル/リジッド・リーフ
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 175/70R13
発売当時価格 108.1万円


※「海王丸パーク」は、通常クルマの乗り入れはできません。今回は特別な許可をいただいて撮影しました。


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年 12月号 Vol.166(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 トヨタ スプリンター クーペ 1600 トレノGT(全4記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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