激レア! この世にたった1台だけの実動車|1959年式 ヂャイアント AA26F Vol.3

ユニークなデザインと機構を持つ、実用性の高いトラックだった。

       
【1959年式 ヂャイアント AA26F Vol.3】

実動のヂャイアントは、どうやら世の中にこの1台だけのようです



【1】【2】から続く

 長年、エンジンをかけることもなく、屋内保管されていたわけだが、小西さんは今、ヂャイアントを公道復帰させることに情熱を燃やしている。冷却系、燃料系、制動系など、サビやオリ、ホコリなどがたまっていたのを丁寧に除去して洗浄。エンジン本体や電装系もしっかり点検して、走る、曲がる、止まるが心配ないところまで何とかこぎ着けた。ほぼ最終段階だ。

「実動のヂャイアントは、どうやら世の中にこの1台だけのようです。もし他に残っているようでしたら、ぜひ教えてください(笑)。希少であることはもちろんですが、後世に残さなければならないクルマとして、ちゃんと車検を取得したいと思っています」

 マツダやダイハツのオート三輪とは違う、個性的な面構えのヂャイアント。何としても保護したい1台だ。


オート三輪であることを感じない乗車姿勢など【写真27枚】




シート座面とフロアのパネルを外すと、水冷水平対向2気筒OHVのAE25型エンジンが姿を現す。排気量は905cc、最高出力は36 psとなっている。変速機は前進4段、後退1段。




フロントフードを開けると、前輪の転舵機構 が現れる。右奥にあるのがラジエーターキャッ プで、ラジエーター本体はフレーム内に組み込 まれているので、取り外しができないらしい?





セルモーターだけでなく、クランク棒での始動もできる。右奥のラジエーターコアの形状にも注目。



1959年式 ヂャイアント AA26F
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4000mm
全幅 1755mm
全高 1820mm
ホイールベース 2565mm
車両重量 1090kg
乗車定員 3名
エンジン型式 AE25型
エンジン種類 水冷4サイクル水平対向2気筒OHV
総排気量 905cc
最高出力 36ps
最高速度 76km/h
変速機 選択摺動式および常時咬合式前進4段・後退1段
燃料消費率 18.5km/L
サスペンション前/後 コイル/リーフ
ブレーキ前/後 なし/ドラム
タイヤ前/後 5.50-16-6PLY/6.50-16-8PLY


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年 12月号 Vol.166(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1959年式 ヂャイアント AA26F(全4記事)

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text : NOSTALGIC HERO/編集部 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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