「昔のくるま館」に展示されていた1台|1959年式 ヂャイアント AA26F Vol.2

1t積みトラックのAA26F以外にも、エンジン排気量や積載量、用途が異なる兄弟車が存在。1.5t積み、2t積み、トレーラー、ダンプなどが用意されていた。

       
【1959年式 ヂャイアント AA26F Vol.2】

【1】から続く

 今回、保護指定するヂャイアントAA26Fは、シリーズの中核を担う1t積みのトラックだ。この個体の登録事項等証明書には初度登録が昭和33(1958)年となっていて、発売された年と同じ。だが車台番号の頭の文字は翌(昭和34)年を意味する59から始まっており、今となっては理由は不明だ。

 このヂャイアントを所有するのは、本誌でもおなじみの旧車専門店「アモン旧車倶楽部」。代表の小西義彦さんによると、兵庫県市川町の「かさがた温泉せせらぎの湯」内にあった「昔のくるま館」に展示されていた個体であるとのこと。小西さんの説明では、約20年前に広島県福山市の福山自動車時計博物館との間で展示車両の交換をする機会があり、その時に福山から昔のくるま館に移されたという。その昔のくるま館が今年7月に閉館することになり、アモン旧車倶楽部でこのヂャイアントを引き取ることになったそうだ。


しっかりデザインされたエンブレムがボンネット先端に付くなど【写真27枚】



機能優先のシンプルな車室内。ステアリングは運転席にドライバーに正対していて、乗車姿勢ではオート三輪であることを感じない。





助手席のワイパーは手動式。ルーフにはベンチレーターが付く。




ドアには内張りがなく、中の機構がむき出しの状態。平面のドアガラスは、下端に付くノブを上下に動かして開閉する。


【3】に続く


1959年式 ヂャイアント AA26F
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4000mm
全幅 1755mm
全高 1820mm
ホイールベース 2565mm
車両重量 1090kg
乗車定員 3名
エンジン型式 AE25型
エンジン種類 水冷4サイクル水平対向2気筒OHV
総排気量 905cc
最高出力 36ps
最高速度 76km/h
変速機 選択摺動式および常時咬合式前進4段・後退1段
燃料消費率 18.5km/L
サスペンション前/後 コイル/リーフ
ブレーキ前/後 なし/ドラム
タイヤ前/後 5.50-16-6PLY/6.50-16-8PLY


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年 12月号 Vol.166(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1959年式 ヂャイアント AA26F(全4記事)

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text : NOSTALGIC HERO/編集部 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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