セリカと同等の実力を秘めた「足のいいやつ」にロックオン!|1973年式トヨタ カリーナ ハードトップ 1600 GT Vol.1

グリーンタービュランスのボディカラーは、GTとSRだけが選べたスポーティーな色。その色に見合うだけの軽快な走りを、自作マフラーのサウンドとともに見せつける。

       
【1973年式トヨタ カリーナ ハードトップ 1600 GT Vol.1】

映画やテレビで人気のアクション俳優・千葉真一の起用。覚えやすい「足のいいやつ」のキャッチコピー。
この2つのおかげで今でも記憶に強く残るカリーナは、4輪コイルスプリングの採用でコピーどおりの走りのいいクルマだった。
なかでもハードトップは、リア・クオーターフィンの採用で、セダンと一線を画す美しいフォルムを持っていた。


 トヨタ小型セダンの中核を担うコロナの、スポーティーモデルとして70年からラインナップに加わったカリーナ。完全スペシャリティモデルのセリカと合わせ、エンジンやシャシーに共通部分を持たせた兄弟車の性格をもち、70〜80年代にかけて2L以下クラスで人気を得た一台だが、セリカほどの趣味性もなく、かといってコロナほど市場に出回ったわけでもなく、平成の今の世から見れば、どっちつかずなポジションにあったといわれても仕方ないかもしれない「不運な名車」の部類に入る。

 とはいえ、そのホットモデル「1600GT」は、レビン/トレノやセリカでも威力を発揮した名機2T-G型エンジンを搭載し、「足のいいやつ」のキャッチフレーズに恥じぬ4輪コイルスプリングを採用。さらに、ハードットップにはフロントディスクブレーキまで用意され、走りを愛するオーナーたちからの支持は絶大なものがあった。

 そんなカリーナに乗るオーナーとくれば、相当カリーナにこだわってクルマを手に入れたのかと思いきや、大根田靖浩さんの答えはそんな期待を裏切るものだった。



クラシカルな雰囲気のアピールと操作性のよさを兼ねるナルディのウッドタイプ・ステアリングなど【写真19枚】



ノーマルを重視するオーナーの意向により、外観のカスタムはリアフェンダー、トランクリッドなどに配されたエンブレムのスムージング程度にとどめられた。




ハードトップとセダンはドア数やボディの形状以外にも、フロントマスク、テールレンズなどの意匠が異なり、明確に区別されている。




セリカと同等の実力を秘めた、「足のいいやつ」

【2】【3】に続く


1973年式トヨタ カリーナ ハードトップ 1600 GT
SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:前後フェンダーツメ折り、
エンブレム類スムージング
● エンジン:2T-G型改1750ccボアアップ、
他車用ラジエーター、TE71最終用ICオルタネーター、
1Gエンジン用セルモーター
● 吸排気系:OERφ45mmキャブ、原田商会製インマニ、
トラスト製4-2-1エキゾーストマニホールド、
自作マフラー
● 点火系:TE71最終用フルトラディストリビューター、
FET製プラグコード、MSD製ブラスター2コイル
● 駆動系:TRD製LSD
● 足回り:(F)AE86用ストラット移植、
ネガキャンアダプター、(R)GAB製ショックアブソー
 バー、強化コイルスプリングカット
● ブレーキ:(F)AE86用ベンチレーテッドディスク
● タイヤ:ATRエコノミスト 165/50R15
● ホイール:アメリカンレーシング(F)15×8J±0、
(R)15×8.5J −6
● 内装:ナルディ製ウッドステアリング(φ360mm)、
バケットシート


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年 12月号 Vol.166(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式トヨタ カリーナ ハードトップ 1600 GT(全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太 

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