【最終話】Zを愛し、Zに魅せられたすべての人の夢が現実になった2014年の夏|S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編  Vol.6

バックに見えるのはサンディエゴのダウンタウン。多くの人が声をかけてきた。みなファクトリーメイドだと勘違いしていたが、それも納得の完成度。

       
【S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編 Vol.6】

どんな苦労でもZにかかわる事柄なら……

前編へ 【5】から続く

 スポーツワゴンのわずかにノッチを付けたリアハッチの形状は、何度も検討を重ねたもので、リアから見たときには一見して「Zだ」とわかるように、極力オリジナルのフォルムを崩さないようにしているのだ。

 おかげで真後ろから見ると、ファストバックのZと変わらない印象で、少し角度を付けて見たときに初めて、「おや?」と気付くといった具合。それも、いわゆる改造車に感じる違和感とはほど遠いもので、「Zのワゴンなんて珍しいな」といった感覚になるほどだ。

 しかもこのZスポーツワゴンは、インジェクションのL28E型エンジンを搭載し、ミッションもATへ換装。さらにエアコンも備えている。なぜなら、決して「置物」ではなく、いつでも、誰でも乗れるクルマに仕上げたいという、安宅さんの強い思いがあったからだ。

 今回のプロジェクトは、困難の連続だった。だが、どんな苦労でもZにかかわる事柄なら、それを苦労とは感じさせないほどの魅力が、Zにはある。だからこそ、こんなにも長きにわたり、多くの人に愛されているのだろう。

 Zを愛し、Zに魅せられたすべての人の夢が現実になった2014年の夏が終わろうとしている──。




ロサンゼルス郊外のトーランスにある安宅さんのショップ「JDMカーパーツ」。Zの専門店として、車両の販売と輸出入を行うとともに、リビルドやリプロダクションを含め、純正部品を豊富に取り扱う。




ダットサンに関する当時の新聞記事などが飾られている。




純正のラジエーターホースや、ブレーキホースなど、補修パーツの品揃えも充実している。





センターコンソールのパネルは、黒、メッキ、黒×メッキ、グレーと4タイプがそろう。


きれいな仕上がりが期待できるシーム溶接でパネルをつないだ鈑金作業。不自然な部分はまったく感じられない美しく印象的なボディラインなど【写真43枚】



初出:ノスタルジックヒーロー 2014年10月号 Vol.165(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編(6記事)


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text : NOSTALGIC HERO/編集部 photo : AKIO HIRANO/平野 陽、YOSHIHIKO MATSUO/松尾良彦、TSUGUYA JAY ATAKA/安宅二弥、NOSTALGIC HERO/編集部

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