メーカー製だと勘違いされるほどの完成度|S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編  Vol.5

シフトゲートの後方に貼られたエンブレム。松尾さんのサインに加え、「Designed by Y. Matsuo, Built by J. Ataka」の文字が入れられている。

       
【S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編 Vol.5】

メーカーがモーターショーなどに出展するコンセプトカーのレベルが目標


前編へ 【4】から続く


 このZスポーツワゴンは、メーカーがモーターショーなどに出展するコンセプトカーのレベルで製作することを目標に掲げ、できる限り状態の良いパーツが使用されている。

 ベースとなった車両は最終型の2by2。純正モノコックボディのピラーなどの構造体には手を加えず、オリジナルのルーフを途中から切断し、ビームを追加、屋根の後端部分を1インチほどかさ上げしたうえに、別ボディから切り落として加工したリアセクションを追加する手法でボディをかたどった。ボディパネルの溶接は一般的なスポット溶接ではなく、より手間のかかるシーム溶接を施し、徹底してクオリティーにこだわっている。

 わずかにノッチを付けたリアハッチの形状は、何度も検討を重ねたもので、リアから見たときには一見して「Zだ」とわかるように、極力オリジナルのフォルムを崩さないようにしているのだ。




まさに新車のようなコンディション。コンセプトカーと言っていい完成度の高さを見せる。




バックに見えるのはサンディエゴのダウンタウン。多くの人が声をかけてきた。みなファクトリーメイドだと勘違いしていたが、それも納得の完成度。



安宅さん自ら5時間かけてリューターで削り出し、成形を行ってステアリングに合わせて塗装し仕上げたセレクトレバーのウッド部分。そのほか徹底したレストアが行われたインテリアなど【写真43枚】


【6】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年10月号 Vol.165(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編(6記事)

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text : NOSTALGIC HERO/編集部 photo : AKIO HIRANO/平野 陽、YOSHIHIKO MATSUO/松尾良彦、TSUGUYA JAY ATAKA/安宅二弥、NOSTALGIC HERO/編集部

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