Zスポーツワゴンの実車化という夢が芽生えた瞬間|S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編  Vol.2

安宅さんが経営するZ専門店のJDMカーパーツ。店内には、北米日産がカリフォルニアにあったときに本社ビルのエントランスに飾られていた希少なポスターや、北米での日産の歩みを伝える記事の切り抜き、当時の写真などが飾られている。

       
【S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編 Vol.2】

S30Zのデザイナーである松尾良彦さんが当時描いていたスケッチが、プロジェクトのきっかけ


前編へ 【1】から続く

 前後編に分け、スペシャルリポートをお届けしているS30Zスポーツワゴン再現プロジェクト。後編の第2回となる今回は、いよいよ完成車のお披露目だ。

 だが、その前に、少しだけおさらいをしておきたい。詳しくは前号の「前編」をお読みいただくとして、ここで簡単に説明すると、このプロジェクトがスタートしたきっかけは、S30Zのデザイナーである松尾良彦さんが、当時描いていたスケッチだ。

 話は2012年にさかのぼる。現在、アメリカ・ロサンゼルス郊外でZの専門店としてパーツ販売や車両の輸出入を行う「JDMカーパーツ」代表の安宅 Jay 二弥さんは、ゲストとして招かれた松尾さんと、千葉県野田市のフェアレディZ専門店「ダットサンフリーウェイ」代表の畑中雅博さんとともに、Zカーコンベンションに参加した。そして、その帰り道に交わしたスケッチの話しから、Zスポーツワゴンの実車化という夢のプロジェクトがスタートしたというわけなのだ。

 前号では完成一歩手前といったところまでの報告を行ったが、実はその後もいくつかの課題が発生した。

 もっとも苦労したのが、フロントグリルだ。ベース車両が最終型の280Zだっただけに、フロントラジエーター付近には、大型のエアクリーナーボックスが鎮座する。さらにボディ補強用のパネルも多く、そこへ240用のバンパーとロワ側まで延長加工したグリルを設置するのは至難の業だった。

 また、リアガラスの製作と取り付けも困難を極めたが、手間と工夫、そして何より多くの関係者の協力により、これらの課題を克服し、ついに完成にこぎつけたのだ。





安宅さんが経営するZ専門店のJDMカーパーツ。

店内には、北米日産がカリフォルニアにあったときに本社ビルのエントランスに飾られていた希少なポスターや、北米での日産の歩みを伝える記事の切り抜き、当時の写真などが飾られている。





安宅さんのショップに隣接するカリフォルニアライフオートの山田崇夫さんは、元日産ディーラーのメカニックで、今回のプロジェクトでは大きな力となってくれた。




S30発表当時の、Zスポーツワゴンの検討デザインや、車両に合わせ微調整をしながら、装着していったワンオフガラスなど【写真43枚】


【3】【4】【5】【6】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年10月号 Vol.165(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 後編(6記事)


関連記事:S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト


関連記事: フェアレディZ

text : NOSTALGIC HERO/編集部 photo : AKIO HIRANO/平野 陽、YOSHIHIKO MATSUO/松尾良彦、TSUGUYA JAY ATAKA/安宅二弥、NOSTALGIC HERO/編集部

RECOMMENDED

RELATED

RANKING