「一番最初に開発を断念したよ」ふとした会話がきっかけになり幻のZの実車が生まれる|S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 前編  Vol.2

ホイールベースの長い2by2をベースに考えたもの。大きなクオーターウインドーとカーブを描くテールエンドが印象的で、太いCピラーには縦にストライプが入り、その中央には「ZSW(Z sports wagon)」の文字が付いていた。

       
【S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 前編 Vol.2】

【1】から続く

ふとした会話がきっかけになり幻のZの実車が生まれる!?     

 2年前の2012年9月下旬。アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックスで、毎年恒例となっているダットサン(フェアレディ)Zファンの祭典「Zカー・コンベンション」が開催された。

 初代S30Zのデザイナーとしておなじみの松尾良彦さんもゲストとして招かれ、会場ではトークショーやファンサービスに奔走。イベントは盛況のうちにお開きとなった。

 今回のプロジェクトはその帰り道、ロサンゼルスへ戻る約7時間の車中での雑談がきっかけとなった。同乗者は千葉県野田市にあるフェアレディZ専門店「ダットサンフリーウェイ」代表の畑中雅博さんと、ロサンゼルス在住でクルマやパーツの輸出入の会社を経営する安宅二弥さん。松尾さんと合わせて3人は、この先の長い道のりを前に、リラックスして会話を楽しんでいた。

 安宅さんがふと松尾さんに尋ねた。

「前に何かで見たアイデアスケッチの中に、たしかZのワゴンがありましたが、その後どうなったんですか? 」

 松尾さんは、こう答えた。
「一番最初に開発を断念したよ」。

ワゴンのイメージを3次元に。紙を張り付け、松尾スケッチを再現したプラボディなど【写真44枚】

【3】【4】【5】に続く



初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 前編(5記事)

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text : NOSTALGIC HERO/編集部 photo : YOSHIHIKO MATSUO/松尾良彦 TSUGUYA JAY ATAKA/安宅二弥 MOTOR MAGAZINE LTD./モーターマガジン社 MASAYUKI INOUE/井上雅行(image sketch/matsuo Z wagon)

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