デビュー前のイメージスケッチ。その1枚が48年後に再現されるドキュメンタリー|S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 前編  Vol.1

松尾良彦さんから借用した写真の中に、今回の再現プロジェクトのヒントとなるスケッチが写っていた。SP/SR311フェアレディの後継車として、新型スポーツカーのデザイン検討が続いていた1966年頃に描かれたワゴンのイメージスケッチがそこにあった。

       
【S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 前編 Vol.1】

 1969年11月、日産からクローズドボディのスポーツカー「フェアレディZ」が発売された。先代のオープンスポーツカー、フェアレディ2000(SR)の後継モデルという位置づけだったが、そのフォルムと存在感は、まったくの別物。

 発売当初から大きな話題となり、瞬く間に国内はもちろん、輸出先の北米市場でもバックオーダーをかかえるほどの人気モデルとなった。その成功は喜ぶべきものだったが、その陰でいくつかの派生仕様が形にならず消えていった。そのうちのひとつ、社内デザイナーの描いたイメージスケッチが、48年の時を経て、実車として再現されることになった。そのプロジェクトのリポートをお届けしよう。




若き日の松尾さん。その肩越しに見えるのは、同僚デザイナーだった吉田章夫さんのスケッチ。



 
 ホイールベースの短い2シータークーペをベースにしたワゴンで、切り立ったテールエンドが特徴。もう一方のスケッチ(下)は松尾さんが描いたもので、ホイールベースの長い2by2をベースに考えたもの。大きなクオーターウインドーとカーブを描くテールエンドが印象的で、太いCピラーには縦にストライプが入り、その中央には「ZSW(Z sports wagon)」の文字が付いていた。ちなみに上の写真、左の人物はZのインテリアを担当したデザイナー、千葉陶さんだ。



デザイン検討のスケッチ。リアクオーターに窓のない2ライト案。





リトラクタブルヘッドライトを組み込んだノッチバッククーペ案。


手前の赤のボディは、タルガトップの試作車。奥のシルバーは、クーペの試作車など【写真44枚】


【2】【3】【4】【5】に続く



初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト 前編(5記事)

関連記事:S30Zスポーツワゴン再現プロジェクト

関連記事: フェアレディZ

text : NOSTALGIC HERO/編集部 photo : YOSHIHIKO MATSUO/松尾良彦 TSUGUYA JAY ATAKA/安宅二弥 MOTOR MAGAZINE LTD./モーターマガジン社 MASAYUKI INOUE/井上雅行(image sketch/matsuo Z wagon)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING