ロータリー戦略にブレーキ! 減速のマツダを救ったHB|1983年式 マツダ ファミリア 3ドア ハッチバック1500 XG Vol.1

バブル期に向かいつつあった80年代初頭、日本の若者は浮かれていた。そこにさっそうと登場したのが、BDファミリアだった。

       
【1983年式 マツダ ファミリア 3ドア ハッチバック1500 XG Vol.1】

Boys & Girls 〜 波の数だけ抱きしめて。陸サーファーの愛車

 バブル期に向かいつつあった80年代初頭、日本の若者は浮かれていた。そこにさっそうと登場したのが、BDファミリア。波の上を滑走することのないサーフボードをトップルーフに設置して、湘南から軽井沢までナンパして回る。そして、トレンディードラマのセリフを口ずさむ。そんな青春のクルマなのだ。

 抱きしめた〜い♪ と、サザンオールスターズの「チャコの海岸物語」を鳴らしながら、都内の道を走る赤いファミリア。80年代の日本は想像しがたいくらいに浮かれまくっていたのだ。

 80年に発売された5代目のBDファミリア。発売当初のラインナップは当時としては画期的な3ドアと5ドアのハッチバックモデルのみ。価格も手頃だったことから若者を中心に人気爆発。特にCM効果で赤いボディカラーが人気で、当時少なかった女性オーナーを取り込むことに成功。

第1回日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車

 さらに、80年秋に行われた第1回日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ販売数が上昇。カローラに匹敵する売れ行きを記録し、排ガス規制によるロータリー戦略減速の影響で落ち込んでいたマツダの売り上げを取り戻すことになった。


陸サーファーの定番であったウッドのステアリングを装着など【写真22枚】


Vol.【2】に続く






伝説のサーファーベン・アイパやウエットスーツメーカー「BREAKER OUT」、サーフボードブランドとして大人気だった「SANTA CRUZ」など、クルマに付けられたステッカーのすべては、当時流行していたものをオーナーが集めた。




1983年式 マツダ ファミリア 3ドア ハッチバック1500 XG(BD1051)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3955mm
全幅 1630mm
全高 1375mm
ホイールベース 2365mm
トレッド前/後 1390/1395mm
最低地上高 150mm
室内長 1705mm
室内幅 1310mm
室内高 1115mm
車両重量 825kg
エンジン型式 E5型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1490cc
ボア×ストローク 77.0×80.0mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 85ps/5500rpm
最大トルク 12.3kg-m/3500rpm
変速比 1速 3.416/2速 1.842/3速 1.290/4速 0.918/5速 0.775/後退 3.214
最終減速比 3.850
燃料タンク容量 42L
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション前後とも ストラット式独立懸架
ブレーキ前/後 油圧式ディスク/油圧式ドラム(L&T)
タイヤ前後とも 175/70SR13
発売当時価格 108.4万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年11月号 Vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 マツダ ファミリア 3ドア ハッチバック1500 XG(全3記事)

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photo:MAKOTO INOUE/井上 誠

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