「もうSAなしの生活は考えられません!」そして20年。|1983年式 マツダ サバンナRX-7 ターボGT-X Vol.3

大学時代からSAのスタイルとロータリーエンジンに憧れており、30歳を過ぎたころ念願かなって購入。

       
REカーとライバルたち

【1983年式 マツダ サバンナRX-7 ターボGT-X Vol.3】

Vol.【1】、Vol.【2】から続く

 スポーツカー受難の時代に登場し、多くの人々を魅了したSAだが、進化を止めることはなかった。

 1979年には希薄燃焼型エンジンを搭載し、排ガス浄化方法もサーマルリアクター式から触媒方式に変更。これにより燃費性能が向上した。

 80年のマイナーチェンジでは、エアダム付きウレタンバンパーなどを採用し、エクステリアデザインを刷新。これは空力性能アップにも大きく貢献している。

 そして1983年には、それまで自然吸気のみだった12A型にターボ仕様が登場。最高出力は35psアップの165psを発揮し、1tそこそこの軽量なボディと相まって、ライバルたちを置き去りにする動力性能を手に入れたのである。

 このように、時代の流れに逆らいながら7年以上の長いモデルライフのなかで進化してきたSAは、スポーツカーとしてその名を歴史に刻んだ。

OWNER’S VOICE/もうSAなしの生活は考えられません!  

 大学入学とSAのデビューが同年という明石宏一郎さん。そんな縁もあり、大学時代からSAのスタイルとロータリーエンジンに憧れていたそうだ。そして30歳を過ぎたころ念願かなって購入。以来、現在の愛車とは約20年の付き合いとなっている。

 ただし、このSAを手に入れたときのコンディションはけっして良くなかったという。エンジンはハウジングが変形していて8万4000kmでオーバーホールし、デフも不調だったので交換。そして満足のいく状態に戻すまで、5年ほど掛かったそうだ。またエンジン系のパーツはまだ手に入るものの、そのほかのパーツは入手しづらい状況なので、LSDはNAロードスター用、リアショックはAE86用を流用している。しかしそんな苦労もあってか、今ではSAがあることが当たり前の生活になっているそうだ。

「余裕があればコスモスポーツに乗りたいですね」と話すが、このSAと二人三脚の日々も続くのだろう。



特徴的な左右まで回り込んだウレタン製リアスポイラーなど【写真17枚】




先にルーチェ/コスモに搭載した12A型ターボをベースに改良を施し、トルク特性やレスポンスをアップ。最高出力は165psだが軽量ボディのため、その速さは脅威だ。



1983年式 マツダ サバンナRX-7 ターボGT-X (SA22C)
諸元 SPECIFICATION
全長×全幅×全高(mm) 4320×1670×1265
ホイールベース(mm) 2420
トレッド前/後(mm) 1420/1400
車両重量(kg) 1035
エンジン型式 12A型
エンジン種類 直列2ローターターボ
総排気量(cc) 573×2
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 165/6500
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/4000
変速比 1速 3.622/2速 2.186/3速 1.419/4速 1.000/5速 0.791/後退 3.493
最終減速比 3.909
燃料タンク(L) 63
ステアリング ボール・ナット式
サスペンション前/後 ストラット/4リンク+ワットリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ前後 205/60R14(前後とも)
発売当時価格 215.2万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年11月号 Vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 マツダ サバンナRX-7 ターボGT-X(全4記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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