ハチマル世代でナンバー1の人気を誇り、神格化されているといっても過言ではないDR30スカイライン。
その姿はまるで新車のような美しさ。持てる技術の粋を結集して作り上げられたDR30。
日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボRS 下回りのレストアでは、ブレーキキャリパーも徹底的にオーバーホールを実施している。「ブレーキは安全にかかわる大事な個所。DR30は製造から30年もたっているので、点検整備から目を背けることはできません」と、このDR30を手がけた「ユーティリタス」の池谷さん。「しっかりと性能を発揮するためのオーバーホールですが、ビジュアル的にも美しく仕上げることで、DR30に対する情熱も高まるんじゃないですか」と付け加えた。
ビジュアルと言えば、エンジンルームが大きな見所のひとつ。「FJ20型エンジンあってのDR30。なので、ボンネットを開けた時のインパクトはこのクルマの命ですよ」と池谷さんが言うように、まずは鮮やかな赤の結晶塗装が施されたヘッドカバーとインマニカバーが目に飛び込んでくる。それを際立たせるのが新品部品に交換されたホース類などの「黒さ」。
そして、再メッキ加工が施されたパーツが宝石のように輝く。もちろん、エンジンルーム内全体は新たにペイント。美しいコントラストを見せるエンジンルームは、ため息が出るほどのクオリティーだ。
その一方、ただ美しく仕上げているだけではない。サーモスタット、プラグとデスビ、エアコンのレシーバーとホース、クラッチマスターは新品部品に交換され、ラジエーターとウオーターポンプ、パワステのポンプとギアボックス、エアコン・コンプレッサーとコンデンサーは良質なリビルト品を使用。加えて、ブレーキキャリパー同様、ブレーキマスターシリンダーもオーバーホールが実施され、快適かつ安心して乗れるように仕上げられているのだ。
スカイラインを象徴する丸型テールランプ。テールレンズは絶版新品パーツをインストールしている。
ホイールは前後ともスターロードのグロースター・ゴールドメッシュ。サイズは15×9.0J。前後でリムの深さが異なるホイールをチョイスしており、後ろはより深リム。タイヤが若干フェンダーに隠れるスタイルと併せて、迫力感を演出。
サイドのデカールは新品に張り替え。DR30のアイコンとなるアイテムだけに、高いクオリティーが求められる部分だ。
マフラーはジェネシス製ステンレスの新品を新たに装着した。
新たに塗り直されたエンジンルームは目を奪われるほどの美しさ。ヘッドカバーとエキマニカバーは結晶塗装仕上げ。FJ20型エンジンのキモとなるこの「赤」の美しさが、DR30には必要不可欠。エンジンルーム内のメッキパーツはすべて再メッキ加工し、さらにボルトやナット、ビス1本に至るまで新品または良質なリビルト品に交換。加えて、ゴムホース類を新品に。こうした細かな構成部品の良しあしで、見た目の印象はガラリと変わる。同店オリジナルの車高調で足回りをリフレッシュ。同時にブレーキのオーバーホールやフェンダー内塗装も実施。
<SPEC>
スカイライン ハードトップ 2000ターボRS(DR30)全長×全幅×全高(mm) 4595×1665×1360
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1410/1400
車両重量(kg) 1175
エンジン型式 FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89.0×80.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 190/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/4800
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.833/後退3.382
最終減速比 3.900
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R15(前後とも)
発売当時価格 269.1万円
掲載:ハチマルヒーロー 2015年7月号 Vol.30(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)