走った距離は10年でわずか2000km!|1969年式 ダイハツ CM8 Vol.4|ダイハツロマネスク

「壊れたら部品がないので、できるだけ乗らないようにしている」とのこと。

       
【1969年式 ダイハツ CM8 Vol.4】

「長年、自分が整備していたので、誰よりもこのクルマのことを分かっていると思います」

Vol.【1】、Vol.【2】、Vol.【3】から続く

 ダイハツCMは荷台の長さが8尺(2.4m)だったため、「CM8」と呼ばれ、親しまれている。改良されながら72年まで生産を行い、販売は1974年くらいまで続けられた。

 このクルマは、オーナーである江添康一さんが手に入れる前から縁があった。前オーナー所有時にメンテナンスを担当していたのが江添さんだったのだ。クルマを手放すと聞いたときに真っ先に手をあげ、譲り受けたという。

「長年、自分が整備していたので、誰よりもこのクルマのことを分かっていると思います」と江添さん。そのため、このクルマのオーナーとなって10年になるが、トラブルらしいトラブルはない。さぞかし快適なオート三輪生活を満喫していると思ったら、「壊れたら部品がないので、できるだけ乗らないようにしている」とのことだった。

OWNER`S VOICE / 完全に趣味車のCM8。走った距離は10年でわずか2000km!?  

 長年整備してきたため、新たに何かをする必要はない。ただバッテリー上がりの際、車体が長いため車庫の中でブースターにつなぐのに苦労するため、バッテリーの配線を延ばしてフレームの横にプラスとマイナスの端子を増設。冬場エンジンのかかりが悪いときでも安心の仕様になった。しかし、特に仕事で使うわけでもなく、遠出することもないため、所有10年でわずか2000kmしか走っていないという。


今のクルマと同じように前ヒンジの開閉ドアを採用など【写真14枚】




シート下に収められたエンジンは1490ccのFA型水冷直列4気筒OHVで、キャブはシングルだ。ラジエーターに延びるパイプも見える。





パネルの側面に型式と車台番号を書いたグリーンのプレートがある。型式は「CM8-2」と読める。シャシーにはフレームナンバーが刻まれているが、経年変化によって読み取ることができない状態だ。




1969年式 ダイハツ CM8(CM8)
SPECIFICATIONS 諸元
全長4475mm
全幅1700mm
全高1890mm
ホイールベース 2970mm
最低地上高 215mm
車両重量 1415kg
乗車定員 3名
最大積載量 1415kg
最高速度 100km/h
登坂能力sinθ 0.313
最小回転半径 3.92m
エンジン型式 FA型
エンジン種類水冷直列 4気筒OHV
総排気量 1490cc
圧縮比 8.2:1
最高出力 68ps/4800rpm
最大トルク11.5kg-m/3600rpm
燃料消費率11.5km/ℓ
変速機前進 4段後退1段
変速機形式2,3,4,速 シンクロメッシュ式
主ブレーキ油圧内部拡張式 前/後2リーディング/複動2リーディング
タイヤ前/後 6.00-16-8PRLT/7.50-16-8PRLT
発売当時価格 51.5万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年 10月号 Vol.165(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 ダイハツ CM8(全4記事)

関連記事:ダイハツロマネスク

関連記事: ダイハツ

text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

RECOMMENDED

RELATED

RANKING