大阪城がエンブレムに!? 大阪商人のプライドを感じさせるフロントマーク|1969年式 ダイハツ CM8 Vol.2|ダイハツロマネスク

4輪車と同じようにグリルの左右に丸形ヘッドライトを配した。今のクルマと比べるとかなり暗い。

       
【1969年式 ダイハツ CM8 Vol.2】

Vol.【1】から続く

 エクステリアは洗練されたデザインだ。4輪トラックのようにスマートなデザインで、メッキを多用し、ヘッドライトを一体化したフロントマスクは強い個性を放ち、押しも強かった。ボンネットは美しい弧を描き、力強さの中に優雅な味わいがある。

 しかも全天候型のルーフや2本ワイパーを備えていたから、キャビンは乗用車と変わらないほどに快適だった。ドアは前ヒンジ式だ。乗用車感覚で大きくスイングするから乗り降りはラクだった。ベンチレーションのための開口ルーバーも数多く開けられている。

 また、オート三輪の資質を問われる荷台は大きく、フロアの形状もいいから大きな荷物も小さな荷物も積みやすい。荷台が見えるガラス窓は2分割タイプとなっている。言うまでもなく、最大積載量は1500kgだ。後方にアオリがある一方開きが標準だが、CMシリーズには左右のパネルも開けられる三方開きも用意されていた。

誇らしげに大阪城が描かれた大阪商人のプライドを感じさせるフロントマークなど【写真10枚】




ボンネットの左サイドには筆記体で「Daihatsu」の文字が付けられている。





フロントフォークとブレーキラインは、まさにオートバイそのものである。ダンパーは倒立式だった。

Vol.【3】、Vol.【4】に続く


1969年式 ダイハツ CM8(CM8)
SPECIFICATIONS 諸元
全長4475mm
全幅1700mm
全高1890mm
ホイールベース 2970mm
最低地上高 215mm
車両重量 1415kg
乗車定員 3名
最大積載量 1415kg
最高速度 100km/h
登坂能力sinθ 0.313
最小回転半径 3.92m
エンジン型式 FA型
エンジン種類水冷直列 4気筒OHV
総排気量 1490cc
圧縮比 8.2:1
最高出力 68ps/4800rpm
最大トルク11.5kg-m/3600rpm
燃料消費率11.5km/ℓ
変速機前進 4段後退1段
変速機形式2,3,4,速 シンクロメッシュ式
主ブレーキ油圧内部拡張式 前/後2リーディング/複動2リーディング
タイヤ前/後 6.00-16-8PRLT/7.50-16-8PRLT
発売当時価格 51.5万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年 10月号 Vol.165(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 ダイハツ CM8(全3記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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