トヨタ|4A-G型へ受け継がれた名機の血統|高性能テンロク全盛期 Vol.2|駆け抜けるテンロク

70年秋に登場した1588ccの2T-G型DOHCは9R型の後継エンジンだ。OHVの2T型にDOHCヘッドを架装し、高回転化を図っている。ソレックスPHH40キャブを2連装したが、70年代後半からは電子制御燃料噴射装置のEFIを装着して生き延びた。これに続くのがDOHC16バルブの4A-GEU型だ。後期はスーパーチャージャー仕様や20バルブの4A-GE型も登場する。

       
【高性能テンロク全盛期 Vol.2】

Vol.【1】から続く

 70年代を代表するテンロクエンジンが、トヨタの2T‐G型直列4気筒DOHCだ。1970年秋、セリカとカリーナの1600GTに積み、送り出した。1972年春には、この2T‐G型エンジンをカローラとスプリンターに搭載し、発売する。これがTE27レビンとトレノだ。その後もトヨタは2T‐G型DOHCエンジンを積極的にスポーツモデルに積んでシェアを拡大する。

 80年代になると、トヨタはパワーユニットを新世代に切り換えた。テンロクのDOHCエンジンは8バルブの2T‐G型から16バルブの4A‐GEU型に世代交代している。記念すべき最初の搭載車は、1983年5月に登場したFRライトウエイトスポーツのAE86レビンとトレノだ。
 また、1984年6月には日本初のミッドシップスポーツカー、MR2を市販に移した。シートの後方に横置きされたのは4A‐GELU型DOHCエンジンだ。パワースペックはレビン/トレノと同じ130ps/15.2kg‐mである。10月には、このエンジンを積むFFホットハッチ、カローラ1600FX‐GTを市場に投入した。

 トヨタは短期間のうちに、4A‐GEU型DOHCエンジンを3つの駆動方式に採用したのだから驚きである。86年にはMR2のGリミテッドにスーパーチャージャー仕様を加えた。その後、4A‐GEU型DOHCは20バルブに進化し、可変バルブタイミング機構も盛り込んでいる。

01 TOYOTA / 4A-G型へ受け継がれた名機の血統

 70年秋に登場した1588ccの2T-G型DOHCは9R型の後継エンジンだ。OHVの2T型にDOHCヘッドを架装し、高回転化を図っている。ソレックスPHH40キャブを2連装したが、70年代後半からは電子制御燃料噴射装置のEFIを装着して生き延びた。これに続くのがDOHC16バルブの4A-GEU型だ。後期はスーパーチャージャー仕様や20バルブの4A-GE型も登場する。

1970年秋に登場した1588ccの2T-G型DOHCなど【写真6枚】




Vol.【3】、Vol.【4】、Vol.【5】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2013年 8月号 Vol.022(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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TEXT : HIDEAKI KATAOKA / 片岡英明

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