カローラFXの中でもさらに希少なリミテッド|1986年式 トヨタ カローラ 1600 FX-GT リミテッド Vol.3|駆け抜けるテンロク

サイドシルにグレードステッカーが貼られる。

       
【1986年式 トヨタ カローラ 1600 FX-GT リミテッド Vol.3】

Vol.2から続く

 そして、そのポテンシャルの高さが評価され、1986年にはAE86の後を受けて全日本ツーリングカーシリーズに参戦。同年第4戦の仙台ハイランドでは、DR30やBMW635CSiといった上級クラスのマシンたちを圧倒し、見事総合優勝に輝いたのだ。

 このように、モータースポーツシーンでも輝かしい実績を残したカローラFXだったが、初代は約2年半という販売期間を過ごし、1987年5月にモデルチェンジ。そして1992年に再びフルモデルチェンジを受けて3代目となると、1995年に生産終了。流行に合わせて登場した華麗なる上級2ボックスハッチバックは、3世代、11年弱という短いモデルライフを全うしたのだった。

 撮影車両は生産量が少なかったカローラFXの中でもさらに希少なリミテッド。オリジナルの状態を残し、ここまでキレイな個体は奇跡の1台である。

オーナーのお宝、FXのミニカーやFXが彫られたウォールナットの木箱など【写真18枚】



OWNER’S VOICE/初の愛車がコレ!  最年少FXオーナーを目指す

 このFXが初めての愛車という五十嵐将弥さん。オーナーが幼少時代、家族がFX-GTに乗っていたということで興味を持つようになったという。

 とはいえ、一時期は記憶の片すみにあった程度だったが、なんとなく調べてみると、4A-G型を搭載し、希少になりつつある車種ということを知る。そこで「今度は自分が運転したい! 」と思うようになり、高校生のころから探し続け、昨年夏にやっと購入することができたそうだ。また、AE86よりもマイナーな存在ということも、「他人と違うクルマに乗りたい」と考える五十嵐さんに最適な存在だったとか。



 そんなこんなで手に入れたFXだけに愛着もハンパじゃなく、ボディのために約11万円もする特注のボディカバーをオーダー。さらに今後は純正パーツを保護するために、シートやステアリングなどを交換する予定だそうだ。

 五十嵐さんのFXライフは、まだ始まったばかり。今後も末永く共に過ごしていくことになるだろう。


1986年式 トヨタ カローラ 1600 FX-GT リミテッド(AE82)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3970×1655×1380
ホイールベース(mm)  2430
トレッド前/後(mm) 1430/1410
車両重量(kg)  940
エンジン型式  4A-GELU型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1587
ボア×ストローク(mm) 81.0×77.0
圧縮比 9.4:1
最高出力(ps/rpm) 130/6600
最大トルク(kg-m/rpm) 15.2/5200
変速比 1速3.166/2速1.904/3速1.310/
4速0.969/5速0.815/後退3.250
最終減速比 4.312
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/60R14(前後とも)
発売当時価格 137.5万円(1600 FX-GT)


初出:ハチマルヒーロー 2013年 8月号 Vol.022(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 トヨタ カローラ 1600 FX-GT リミテッド(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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