ハチマル一番人気はこの1台!|その姿はまるで新車のような美しさ|DR30スカイライン 1

ハチマル世代でナンバー1の人気を誇り、神格化されているといっても過言ではないDR30スカイライン。

その姿はまるで新車のような美しさ。持てる技術の粋を結集して作り上げられたDR30。

日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボRS
 
 80年代車、いわゆるハチマル車でもっとも人気の高いのがDR30スカイラインだ。この車両は、DR30のプロショップとして名を馳せている「ユーティリタス」が手掛けたもの。2015年2月末に開催されたノスタルジック2デイズでも展示されていた車両で、実際に会場でその美しい姿に目を奪われた方も多いことだろう。今回はレストアの全貌を美しい写真とともに紹介していこう。

 早速、エクステリアから。ボディは「じつは今回、塗装はしてないんですよ。それくらい状態が良かったんです」とユーティリタス代表の池谷祐一さん。
 
 この個体は走行距離約11万㎞の1オーナー車で、前オーナーが相当大事にしていたもの。そのため、事故歴はもちろんなく、前期特有のサビ害も皆無だったそうだ。「後期は塗装が変わったりしているのですが、前期はサビ対策ができていません。なので、ボディが腐ってしまっていることが多いんです。けれど、この個体は保管状態も良くてそんなことはありませんでした」とのこと。

 とはいえ、ボディはまったく手を付けていないわけではなく、ヘッドライトのオーバーホールやサイドデカールの貼り付けのほか、ドア&クオーター水切りモールとドアフィニッシャー、センターシール、テールレンズは新品部品を装着し、リフレッシュなどを行っている。

 下回りを含めたシャシーでは、「ボディをバラしてオールペイント」というだけではない。たとえば、リアのロワアームは分解して専用塗装が施され、ベアリング(インナー&アウター)やダストシールは新品に交換するとともに、グリスの入れ替えやブッシュ圧入交換も実施。さらに、各ボルトやナット類も新品もしくは再メッキ品に交換するなど、見えないところまで手を入れていく。

 このような手法でクロスメンバーなどを仕上げていくほか、タイロッドとアイドラアームをリビルト品に、ブッシュとブーツ類を新品に交換している。今回は残念ながら写真では紹介できないが、防サビ処理と専用塗装が施された下回りも新車のような仕上がりだ。
 
 
DR30 日産 スカイライン 外装
FET極東エアロクラフトのバンパーを装着。これは、言わずもがな西部警察仕様の当時物で、ナンバープレートの裏部分にシリアルナンバーが刻印されたプレートが付けられている。フォグはもちろんマーシャル製だ。



オーバーホールしたヘッドライトは、リフレクターにクロームメッキを再施工したほか、ゴム類やプラスチックパーツは新品もしくは良品リビルトをインストールしている。


ホイール
ホイールはスターロードのグロースター15インチをチョイスする。
 

<SPEC>
スカイライン ハードトップ 2000ターボRS(DR30)
全長×全幅×全高(mm)    4595×1665×1360
ホイールベース(mm)     2615
トレッド前/後(mm) 1410/1400
車両重量(kg)    1175
エンジン型式      FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc)     1990
ボア×ストローク(mm)    89.0×80.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm)  190/6400
最大トルク(kg-m/rpm)    23.0/4800
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.833/後退3.382
最終減速比   3.900
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R15(前後とも)
発売当時価格 269.1万円
 

掲載:ハチマルヒーロー 2015年7月号 Vol.30(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Motosuke Fujii(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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