バンパーは規格もののスチールパイプだった!|1989年式 日産 パオ Vol.2|パイクカームーブメント

丸形一眼メーターはモノトーンでスッキリとしたデザイン。文字盤のフォントも特徴的で、デザイナーの試行錯誤が容易に想像できる。メーター左右の特徴的なトグルスイッチはハザードランプとデフォッガー。

       
【1989年式 日産 パオ Vol.2】

Vol.1から続く

 パオと名付けられることとなる新型車のコンセプトは「非日常」と「冒険」。初期のデザイン案ではバギーのようなアクティブなスケッチが多かったそうだが、最終的にたどり着いたのは、「いかにその気分を演出できるか」という点。冒険と言えば4WDのほうがイメージしやすい。だが、それではいかにもクルマ的すぎてしまう。この新型車が出したいのは、あくまでも「気分」。そこで、日常の中でいかに非日常と冒険の気分を演出できるかをポイントに、ディテールに徹底的にこだわった。

簡単に補修ができるようにという配慮で一般的な規格もののスチールパイプを使用したバンパーなど【写真6枚】

 ドアのヒンジやスイッチひとつとっても凝りに凝ったパオのデザインと造形には、相当なコストがかけられた。それができたのには2つの理由がある。ひとつはメカニズムの進化は一切行わず、Be‐1と同じく初代マーチをベースにしたこと。もうひとつは意外な車種からの流用パーツの採用だ。後者に関しては、特徴的な部分と併せて写真で紹介していく。




Vol.3に続く


1989年式 日産 パオ(PK10)
SPECIFICATIONS 主要諸元
カラー アクアグレー
車台番号 PK10-0054##
走行距離 6万2386km
日産 パオ(PK10)
全長×全幅×全高(mm) 3740×1570×1475
ホイールベース(mm) 2300
トレッド前/後(mm) 1365/1355
車両重量(kg) 750
エンジン型式 MA10S型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 987
ボア×ストローク(mm) 68.0×68.0
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps/rpm) 52/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 7.6/3600
変速比 1速2.826/2速1.542/3速1.000/後退2.364
最終減速比 3.889
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前 / 後 ストラット/4リンクコイル
ブレーキ前 / 後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 155SR12
発売当時価格 144.0万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年 8月号 Vol.022(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1989年式 日産 パオ (全3記事)

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photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖 text : Rino Creative/リノクリエイティブ 

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