本田宗一郎が作りたいと願ったジェット機のコクピットをイメージした装備|1972年式 ホンダ 1300 クーペGT Vol.3|全日本保護指定旧車協会

流麗でグラマラスなスタイル。

       
【1972年式 ホンダ 1300 クーペGT Vol.3】

Vol.2から続く

 サスペンションはリアに交差するスイングアームをリーフスプリングで吊ったクロスビーム式をセダンから受け継いでいる。が、セダンで指摘された不安定な挙動とクセのあるハンドリングには改善のメスが入れられた。

 1971年6月、初めてのマイナーチェンジを行い、クーペ9は「ダイナミックシリーズ」に名称変更し、4連キャブ仕様はGTLだけとなる。クーペ7にはフロントマスクを変えた「ゴールデン・シリーズ」も加わった。



本田宗一郎が作りたいと願ったジェット機のコクピットをイメージした装備、GT以上のグレードに付属したオーバーヘッドパネルなど【写真7枚】

兄が乗っていたホンダ1300

 オーナーの野村勝実さんは、これまでの車歴から分かるように熱狂的なホンダファンだ。お兄さんが乗っていたホンダ1300に魅せられ、いつか愛車にしたいと思って探していたというが、念願かなって手に入れた。購入後はメカニズムを整備するとともに全塗装も行っている。これからも愛情たっぷりのオーナーのもとで軽快な空冷サウンドを響かせてくれるはずだ。

「発売当時、兄が乗っていました。とにかく他のクルマと違う技術が詰まっていて、すごいクルマということしか分かりませんでしたが、いつか自分も乗りたいと考えていました」という 野村勝実さん。懇意にしているRRさんに入庫した話を聞き、即購入したという。





1972年式 ホンダ 1300 クーペGT
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4160mm
全幅 1495mm
全高 1320mm
ホイールベース 2250mm
トレッド前/後 1245/1195mm
最低地上高 175mm
車両重量 905kg
乗車定員 5名
登坂能力tanθ 0.44
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 H1300E型
エンジン種類 空冷4気筒SOHC
総排気量 1298cc
ボア×ストローク 74×75.5mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 95ps/7000rpm
最大トルク 10.5kg-m/4000rpm
最高速度 175km/h
燃料タンク容量 40L
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 マクファーソン型独立懸架/クロスビーム型独立懸架
ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
タイヤ前後とも 6.2H13-4PR
発売当時価格 67.3万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 ホンダ 1300 クーペGT (全3記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡 英明 photo : MINAI HIROTAKA/南井浩孝

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