ドライサンプに一体式二重空冷方式。空冷なのに静かで高性能なパワートレイン|1972年式 ホンダ 1300 クーペGT Vol.2|全日本保護指定旧車協会

ボディサイドに装着されるホンダのマークの下には、グレードを示すGTのエンブレムも。

       
【1972年式 ホンダ 1300 クーペGT Vol.2】

Vol.1から続く

 横置きされているのは、DDAC(デュオ・ダイナ・エア・クーリング)と名付けた一体式二重空冷方式の直列4気筒SOHCエンジンだ。ホンダ独創の設計により空冷エンジンの弱点である騒々しいエンジン音を消している。しかもレーシングエンジンのように潤滑はドライサンプ式だ。

 ホンダ1300は1969年5月に市販に移された。シングルキャブ仕様の77が積む1298ccのH1300E型エンジンは100ps/10.95kg‐mを発生する。これに対しCVキャブ4連装の99は、驚異的な115ps/12.05kg‐mを絞り出した。性能的には2Lエンジンと変わらない。だが、あまりにもピーキーで扱いにくかったので、発売から半年で実用域のトルクを太らせたエンジンに換裝している。

美しく仕上げられた空冷横置きのH1300E型エンジンなど【写真6枚】



 この改良型のH1300E型エンジンを積み、70年2月にデビューしたのが流麗なフォルムの1300クーペだ。精悍な切れ長の二分割フロントマスクを採用し、Cピラーからリアエンドにかけてのラインも美しい。モデル名はキャブレターの数によって分けられ、クーペ7とクーペ9になった。




Vol.3に続く

1972年式 ホンダ 1300 クーペGT
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4160mm
全幅 1495mm
全高 1320mm
ホイールベース 2250mm
トレッド前/後 1245/1195mm
最低地上高 175mm
車両重量 905kg
乗車定員 5名
登坂能力tanθ 0.44
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 H1300E型
エンジン種類 空冷4気筒SOHC
総排気量 1298cc
ボア×ストローク 74×75.5mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 95ps/7000rpm
最大トルク 10.5kg-m/4000rpm
最高速度 175km/h
燃料タンク容量 40L
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 マクファーソン型独立懸架/クロスビーム型独立懸架
ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
タイヤ前後とも 6.2H13-4PR
発売当時価格 67.3万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 ホンダ 1300 クーペGT (全3記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡 英明 photo : MINAI HIROTAKA/南井浩孝

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