「隣のクルマが小さく見えま〜す」ひとクラス上の伸びやかなデザイン|1971年式 日産 サニー クーペ 1200 GL Vol.2

初代のクーペから受け継がれた長方形のリアコンビネーションランプ。シンプルで美しい。エンド部分のリアスポイラーも似合っている。

       
【1971年式 日産 サニー クーペ 1200 GL Vol.2】

Vol.1から続く

 B110サニーは「隣のクルマが小さく見えま〜す」の名コピーからも分かるように、ひとクラス上の車格感と風格を身につけている。エクステリアはストレート基調の伸びやかなデザインだ。特にファストバックの2ドアクーペは美しいフォルムが魅力だ。

 エンジンは水冷直列4気筒OHVのA10型をストロークアップした1171ccのA12型を搭載。デビュー時はシングルキャブ仕様だけで、68 ps/9.7kg‐mのスペックだった。組み合わされるトランスミッションは3速コラムシフトと4速フロアシフトのMTをラインナップ。最高速は150km/h、ゼロヨン加速は18.6秒の俊足である。



A12 TYPE ENGINE:5ベアリングクランクの採用で150km/hを余裕でマーク

 A10型エンジンの弱点を克服し、信頼性を高めるために5ベアリング支持のクランクシャフトを採用したA12型エンジン。ボア73mm×ストローク70mmで、排気量は1171ccだ。シングルキャブ仕様に続き、SUツインキャブ仕様が加わった。SUツイン仕様はハイオクガソリンが指定だったが、途中からは(パルサーX1も)レギュラーガソリン仕様が登場する。改良と進化を続け、90年代まで第一線で活躍した名機だ。

カムカバーをグリーンに塗ったA12型エンジンや、貴重な当時のレース用のオイルフィルターアタッチメントなど【写真7枚】



Vol.3に続く


1971年式 日産 サニー クーペ 1200 GL(KB110)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 3825mm
全幅 1515mm
全高 1350mm
ホイールベース 2300mm
トレッド前/後 1240/1245mm
最低地上高 170mm
室内長 1620mm
室内幅 1270mm
室内高 1095mm
車両重量 700kg
乗車定員 5名
最高速度 150km/h
登坂能力tanθ 0.519
最小回転半径 4.1m
エンジン型式 A12型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1171cc
ボア×ストローク 73.0×70.0mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 68ps/6000rpm
最大トルク 9.7kg-m/3600rpm
変速比 1速 3.757/2速 2.169/3速 1.404/4速 1.000/後退 3.640
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 38L
ステアリング形式 ボール循環式(ギア比15.1)
サスペンション前/後 独立懸架ストラット式/半浮動バンジョー式
ブレーキ前/後 ディスク/リーティングトレーディング
タイヤ前後とも 6.00-12-4PR
発売当時価格 59万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1971年式 日産 サニー クーペ 1200 GL(全3記事)

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text:HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo:TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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