木全さんの活躍と三菱ラリーアートの遺志をついだコルトギャラン|1970年式 三菱 コルト ギャラン AⅡ-GS Vol.3|セダンの神髄

山間部を含め2000km超えの距離を駆け抜けた第12回日本アルペンラリーは1970年開催。色あせまでリアルに再現されたステッカー。

       
【1970年式 三菱 コルト ギャラン AⅡ-GS Vol.3】

Vol.2から続く

 オーナーの石坂賢司さんがこのクルマを手に入れたのは23年前。当時は車高を下げたり、社外ホイールを履かせたりしていたのだが、7〜8年前にラリー仕様へとモディファイ。しかも外観から中身まですべて三菱自動車ラリーチーム時代に木全さんが乗っていたクルマの装備、ステッカーと同じにした。さらに、リムの深い純正鉄ホイールを手に入れ、当時のラリー用ダンロップ製タイヤを揃えるというこだわり。もともとラリードライバーだった石坂さんは、木全さんとも懇意で、クラシックラリーレース「レジェンド・オブ・ラリー」でこのクルマを木全さんに貸すことも約束済みだった。

「COLT」の文字のはいるエンジンのヘッドなど【写真6枚】



 その約束の日を迎えられないまま木全さんは永眠。しかし石坂さんは木全さんとの約束がそのまま継続されているかのようにモディファイを続行。今も当時のワークスエンジンであるCⅡKIT型への換装を計画中だ。

 木全さんの活躍と今はなき三菱ラリーアートが忘れられないように、このコルトギャランはずっと存在し続けることだろう。




OWNER 石坂賢司さん
クラブ「ルーツ・オブ・ギャラン」の代表を務め、ラリー活動にも熱心な石坂さん。このクルマの他にも篠塚建次郎仕様に完全モディファイされたランサーGSRも所有している。



1970年式 三菱 コルト ギャラン AⅡ-GS(A52GS)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4080mm
全幅 1560mm
全高 1370mm
ホイールベース 2420mm
トレッド前/後 1285/1285mm
室内長 1790mm
室内幅 1300mm
室内高 1135mm
車両重量 855kg
乗車定員 5名
最高速度 160km/h
登坂能力sinθ 0.533
最小回転半径 4.6m
エンジン型式 4G31型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1499cc
ボア×ストローク 74.5×86.0mm
圧縮比 10.0:1
最高出力 105ps/6700rpm
最大トルク 13.4kg-m/4800rpm
変速比 1速 3.525/2速 2.193/3速 1.442/4速 1.000/後退 3.867
最終減速比 3.889
燃料タンク容量 45L
ステアリング形式 ボールナット(バリアブルレシオ)式
サスペンション前/後 独立・ストラット式/半浮動式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.15-13 4PR
発売価格 71.1万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 三菱 コルト ギャラン AⅡ-GS (全3記事)

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photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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