ゴール目前までトップ! デビュー戦での結果にポテンシャルを確信|1970年式 三菱 コルト ギャラン AⅡ-GS Vol.2|セダンの神髄

木全さんの活躍と今はなき三菱ラリーアートが忘れられないように、このコルトギャランはずっと存在し続けることだろう。

       
【1970年式 三菱 コルト ギャラン AⅡ-GS Vol.2】

Vol.1から続く

 初めてギャランという名が付けられたこのクルマは1969年12月に発売。1.3LクラスのAⅠ型と1.5LクラスのAⅡ型がラインナップされたが、その中にラリーマシンのベースにすべく開発されたAⅡ‐GSが存在した。SUツインキャブを装備し、圧縮比を10.0として105psにチューンナップした、新開発の4G31型エンジンを搭載したスポーツモデル。

中央は音叉の共振周波数が一定であることを利用して作られたジェコー製の音叉時計など、助手席のインパネを占めるアナログの計器類ほか【写真7枚】



 コルトギャランとして初出場となった1971年のサザンクロスラリーでは、ゴール目前までトップをキープしつつもトラブル発生で総合3位。しかしデビュー戦でのこの結果に三菱自動車ラリーチームは、このクルマのポテンシャルが想像以上に高いことを確信。それは、その後の結果でも明らかとなる。

 同年に行われた国内ラリーでは第13回日本アルペンラリー優勝、PMCSラリー・クリサンテーモ優勝と結果を残した。翌1972年にオーストラリア行われた第7回サザンクロスラリーでは総合優勝。圧倒的な成績をおさめたのだった。



Vol.3に続く

1970年式 三菱 コルト ギャラン AⅡ-GS(A52GS)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4080mm
全幅 1560mm
全高 1370mm
ホイールベース 2420mm
トレッド前/後 1285/1285mm
室内長 1790mm
室内幅 1300mm
室内高 1135mm
車両重量 855kg
乗車定員 5名
最高速度 160km/h
登坂能力sinθ 0.533
最小回転半径 4.6m
エンジン型式 4G31型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1499cc
ボア×ストローク 74.5×86.0mm
圧縮比 10.0:1
最高出力 105ps/6700rpm
最大トルク 13.4kg-m/4800rpm
変速比 1速 3.525/2速 2.193/3速 1.442/4速 1.000/後退 3.867
最終減速比 3.889
燃料タンク容量 45L
ステアリング形式 ボールナット(バリアブルレシオ)式
サスペンション前/後 独立・ストラット式/半浮動式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.15-13 4PR
発売価格 71.1万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1970年式 三菱 コルト ギャラン AⅡ-GS (全3記事)

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photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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