60年代にクラッチレス2ペダル式をオプション設定!|1962年式 日野 コンテッサ 900 デラックス Vol.3|セダンの神髄

ボディ塗装は購入時のままだが、前後バンパーやウインカー、テールレンズ、ホイールキャップ、ステアリング、メーターなどを未使用品に交換している。

       
【1962年式 日野 コンテッサ 900 デラックス Vol.3】

Vol.2から続く

時代を先取りしたクラッチレス2ペダル式

 トランスミッションは電磁式ソレノイドを使った3速マニュアルで、当時ファミリーカーの主流だったコラムシフトとした。最高速度110km/h、ゼロヨン加速は24.6秒と発表されている。コンテッサ900で特筆したいのはオプション設定の形でクラッチレスの2ペダル式トランスミッションが用意されていたことだ。「シンコー・ヒノマチック」と名付けられたミッションで、時代を先取りしている。

 サスペンションは、進歩的な4輪独立懸架を採用した。フロントはダブルウイッシュボーン、リアはスイングアクスルだ。ルノー4CV譲りのしなやかな走りは、コンテッサ900にも引き継がれている。それを証明するように、第1回日本グランプリのC3ツーリングカーレースでは、DKWなどを退けて初優勝をもぎ取った。
 これをベースに開発されたのがツインキャブ装着のコンテッサ900Sだ。40㎰/6.7kgmにパワーアップされ、最高速度は115km/hに向上。気高い伯爵夫人は、スポーツウーマンとしての資質も高かった。

ヘッドライトのハイビーム、ロービームの切り換えを行うフットペダル。モダンなデザインですっきりとした室内空間など【写真7枚】





1962年式 日野 コンテッサ 900 デラックス(PC10)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 3795mm
全幅 1475mm
全高 1415mm
ホイールベース 2150mm
トレッド前/後 1210/1200mm
最低地上高 205mm
室内長 1600mm
室内幅 1230mm
室内高 1175mm
車両重量 750kg
乗車定員 5名
最高速度 110km/h
登坂能力sinθ 0.33
最小回転半径 4.3m
エンジン型式 GP20型
エンジン種類 水冷直列4気筒
総排気量 893cc
ボア×ストローク 60×79mm
圧縮比 8.0:1
最高出力 35ps/5000rpm
最大トルク 6.5kg-m/3200rpm
変速比 1速 3.70/2速 1.81/3速 1.07/後退 3.70
最終減速比 4.62(37/8)
燃料タンク容量 32L
ステアリング形式 ラックおよびピニオン式
サスペンション前/後 コイル・スプリング
ブレーキ 足/手油圧式-内部拡張/機械式-内部拡張
タイヤ前後とも 5.50-14-2PR
発売当時価格 58万5000円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1962年式 日野 コンテッサ 900 デラックス (全3記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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