トヨタと日産が激突する市場に投入された「ロータリゼーション」カペラ|1970年式 マツダ カペラ ロータリー スーパーDX Vol.2|セダンの神髄

ステアリングはロータリー車専用でホーンボタン中央にロータリーエンブレムが装着される。スピードメーターは210km/hまで刻まれている。本来ラジオか8トラックカセットデッキが装着されるインパネ中央には油圧計など3連メーターが装着されている。

       
【1970年式 マツダ カペラ ロータリー スーパーDX Vol.2】

 東洋工業の創立50周年に、トヨタと日産が激しく争う小型乗用車市場に、満を持して投入されたロータリーエンジン搭載車であるカペラロータリー。1967年に世界初の2ローターロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツを発売以来、「ロータリゼーション」のかけ声とともにロータリーラインナップを増やしていったマツダ。ファミリア、ルーチェと短い期間にロータリーエンジン搭載車を発表したあと、1970年5月に発売されたカペラ。エンジンは、カペラ用に新規開発した12A型2ローターロータリー。基本構造は10A型と同様だが、幅を10mm増したローターハウジングによって排気量が単室で573ccに。高性能化したエンジンは最大出力120ps/6500rpm、最大トルク16.0kg‐m/3500rpmとなり、当時の2Lクラスレベルの動力性能を発揮した。

ハコスカGT-Rを超えたロータリー勢だったが……

 ハコスカGT-Rの勝利を阻止したロータリー勢。しかしその後、50勝目を記録した日産ワークスは国内レース活動から撤退。ライバルのいなくなった国内レースで当然のように勝利を重ねると思われていたカペラ、サバンナのロータリー勢だったが、残されたハコスカGT-Rはプライベーターを中心に奮闘。8勝をあげ、合計58勝とした。

 ロータリー勢はその後、国内レースで勝利を重ね、サバンナは100勝を達成。ハコスカGT-R以上の記録を獲得したのだが、「GT-Rの50勝」ほどのインパクトを得ることはなかった。


カペラエンブレムがあしらわれた専用シートなど【写真5枚】




Vol.3に続く

1970年式 マツダ カペラ ロータリー スーパーDX(S122A)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4210mm
全幅 1580mm
全高 1420mm
ホイールベース 2470mm
トレッド前/後 1285/1280mm
最低地上高 160mm
室内長 1745mm
室内幅 1320mm
室内高 1150mm
車両重量 965kg
乗車定員 5名
最高速度 185km/h
登坂能力 35°22’
最小回転半径 4.7m
エンジン型式 12A型
エンジン種類 2ローターロータリー
総排気量 573×2cc
圧縮比 9.4:1
最高出力 120ps/6500rpm
最大トルク 16.0kg-m/3500rpm
燃料タンク容量 65L
ステアリング形式 ボールナット式
サスペンション前/後 ストラット式コイルばね/4リンク式コイルばね
ブレーキ前/後 ディスク/リーディング&トレーリング
タイヤ前後とも 6.15S13-4PR
発売当時価格 78.7万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 マツダ カペラ ロータリー スーパーDX (全3記事)

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photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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