ハコスカGT‐Rの50連勝を止めた車はサバンナなのか、はたまたカペラなのか?|1970年式 マツダ カペラ ロータリー スーパーDX Vol.1|セダンの神髄

ヘッドライトの形状は1970年10月に登場したGシリーズから丸形4灯式となる。

       
【1970年式 マツダ カペラ ロータリー スーパーDX Vol.1】

 マツダ・ロータリーというと語られるエピソードは、1971年12月12日に行われた第6回富士ツーリストトロフィーレース。国内で49勝を記録していたハコスカGT‐Rが、記念すべき50勝目を目指して参戦したレースだ。結果はご存じのように、投入されたばかりのサバンナGT(ドライバーは加茂進と増田建基)の後塵を拝すことになったのだ。

 マツダファンにとっては歓喜のレースだったが、実はこれ以前にロータリーエンジンはハコスカGT‐Rに対する大きな勝利を収めている。それが1971年8月15日に行われた富士GC第3戦富士500キロスピードレース。46連勝中だったハコスカGT‐Rの連勝記録は、ここでストップする。このレース自体は決して大きいものではなく、当時は日産ワークスが参戦していないためハコスカGT‐Rの記録の中に含まれないという発言もあったが、小さなレースまでカウントして50勝という宣伝文句をGT‐Rに付けておきながら、日産対マツダのワークス代理レースと呼ばれたこの1戦を含まないのは明らかにおかしい。そして、このハコスカGT‐Rの連勝を止めたマシンこそがカペラロータリー(ドライバーは寺田陽次郎)だったのである。

フロントフェンダーの後に装着されたロータリーを示すエンブレムなど【写真7枚】



Vol.2、Vol.3に続く

1970年式 マツダ カペラ ロータリー スーパーDX(S122A)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4210mm
全幅 1580mm
全高 1420mm
ホイールベース 2470mm
トレッド前/後 1285/1280mm
最低地上高 160mm
室内長 1745mm
室内幅 1320mm
室内高 1150mm
車両重量 965kg
乗車定員 5名
最高速度 185km/h
登坂能力 35°22’
最小回転半径 4.7m
エンジン型式 12A型
エンジン種類 2ローターロータリー
総排気量 573×2cc
圧縮比 9.4:1
最高出力 120ps/6500rpm
最大トルク 16.0kg-m/3500rpm
燃料タンク容量 65L
ステアリング形式 ボールナット式
サスペンション前/後 ストラット式コイルばね/4リンク式コイルばね
ブレーキ前/後 ディスク/リーディング&トレーリング
タイヤ前後とも 6.15S13-4PR
発売当時価格 78.7万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1970年式 マツダ カペラ ロータリー スーパーDX (全3記事)

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photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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