「自分でできることは自分で作業をしているうちに、いっそう愛着がわきました」|1966年式 プリンス グロリア スーパー6 Vol.3|セダンの神髄

「子供の頃に座らせてもらった記憶では、室内がとても広く感じたのですが、実際に乗ってみるとそれほどでもないですね(笑)」

       
【1966年式 プリンス グロリア スーパー6 Vol.3】

Vol.2から続く

 「私が小学校高学年の頃、パシフィコ横浜で開催されたニューイヤーミーティングに、父親と一緒に行きました。その会場に展示してあったグロリアの運転席に座らせてもらった記憶があり、その時に『いつか自分で買いたい』と思っていました」

 取材車両のオーナー、秋元新吾さんは、グロリアとの最初の出合いをこのように教えてくれた。31歳と若い秋元さんが愛車のスーパー6を手に入れたのは、今から8年前のこと。旧車専門店からの購入だったが、最初のうちはエンジンの調子が悪く、「こんなはずじゃなかった」と思うことが多かったという。しかし、父親が自動車整備の仕事をしていることもあり、休日には一緒に整備をしているうちに、本来のコンディションを取り戻した。

寸法の長いストレート6、G7型エンジンが収まるエンジンルームなど【写真15枚】

「最初は旧車の構造などを知らなくて、何か修理しようとしても壊れてしまうのではないかと、常に恐怖心がありました。パーツの入手が難しいなど多少困ったこともありましたが、自分でできることは自分で作業をしているうちに、いっそう愛着がわきました」

 気長にこつこつと手をかけて、愛車との距離感を詰めていった様子は、旧車乗りのベテランの域に達した感じ。秋元さんのグロリアと向き合う生活は、これからずっと続きそうだ。




「子供の頃に座らせてもらった記憶では、室内がとても広く感じたのですが、実際に乗ってみるとそれほどでもないですね(笑)」と秋元新吾さん


1966年式 プリンス グロリア スーパー6(S41D-2)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4650mm
全幅 1695mm
全高 1480mm
ホイールベース 2680mm
トレッド前/後 1380/1400mm
最低地上高 220mm
室内長 1870mm
室内幅 1430mm
室内高 1160mm
車両重量 1320kg
乗車定員 6名
最高速度 155km/h
登坂能力sinθ 0.37
最小回転半径 5.4m
エンジン型式 G7型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1988cc
ボア×ストローク 75×75mm
圧縮比 8.8:1
最高出力 105ps/5200rpm
最大トルク 16kg-m/3600rpm
変速比 1速 2.980/2速 1.618/3速 1.000/OT 0.777/後退 3.237
最終減速比 4.875
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーンコイル/ド・ディオンアクスル+リーフ
ブレーキ前後とも ドラム
タイヤ前後とも 7.00-13-4PR
発売当時価格 105万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1966年式 プリンス グロリア スーパー6 (全3記事)

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photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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