ナンバープレートをめくるとそこには……|1964年式 いすゞヒルマン ミンクス スーパーデラックス Vol.2|セダンの神髄

ナンバープレートを上に押し上げるとクランク棒を入れる穴があり、クランクハンドルを回してエンジンを始動することもできた。

       
【1964年式 いすゞ ヒルマン ミンクス スーパーデラックス Vol.2】

Vol.1から続く

「ダルマ・ヒルマン」とよばれた車は、調印から10カ月後に第1号車をラインオフ

 大森工場で組み立てを行ったのは、後に「ダルマ・ヒルマン」と揶揄され、親しまれたヒルマンミンクスMK-VI(PH10型)である。ちなみに「MINX」はおてんば娘の意味だ。驚いたことに、調印から10カ月後の10月下旬に第1号車をラインオフさせた。最初のエンジンは、1265ccの水冷直列4気筒サイドバルブだ。だが、1955年には1390ccのGH 12型水冷直列4気筒OHVエンジンに換裝している。

 ヒルマンミンクスが初のモデルチェンジを行うのは、1956年9月だ。イギリスでPH100型ヒルマンに切り替わったのを機に、日本での現地生産車も2代目に移行した。ボディはちょっと小ぶりになったが、ホイールベースは76mmも延びている。キャビンの快適性が大幅に高められただけでなく、乗り心地もよくなった。

英国のエレガントなデザインを踏襲したドアノブやレバー、明るいカラーで統一されたインテリアなど【写真8枚】




Vol.3に続く

1964年式 いすゞヒルマン ミンクス スーパーデラックス(PH50型)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4140mm
全幅 1543mm
全高 1510mm
ホイールベース 2438mm
トレッド前/後 1245/1232mm
最低地上高 195mm
室内長 1780mm
室内幅 1290mm
室内高 1240mm
車両重量 1065kg
乗車定員 6名
最高速度 128km/h
登坂能力sinθ 0.346
最小回転半径 5.22m
エンジン型式 GH150型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1494cc
ボア×ストローク 79.0×76.2mm
圧縮比 8.5:1
最高出力 70ps/5000rpm
最大トルク 11.2kg-m/2200rpm
変速比 1速 3.19/2速 2.47/3速 1.49/4速 1.00/後退 4.04
最終減速比 4.778
燃料タンク容量 33L
ステアリング形式 ウオームローラー式
サスペンション前/後 ウイッシュボーン・コイル/リジッド・リーフ
ブレーキ前後とも ドラム
タイヤ前後とも 5.60-15-4P
発売当時価格 84万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1964年式 いすゞ ヒルマン ミンクス スーパーデラックス(全3記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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