「シバタイヤ」発売即、大ブレーク! やっぱり起こった大革命

サイドウォールには誇らしきロゴ。OEMを担当するレイダンは、ドリフト世界選手権の優勝車両もサポートしているタイヤメーカー。ヨーロッパ基準のエクストラロード準拠の証しもあり、安心して履くことができる。

       
ニッポンに新たなるタイヤメーカーが生まれた日

タイヤ事業いきなり軌道へ


ユーザーの「欲しい!」の声を
迅速に反映させた商品展開


 R31スカイライン専門店という枠組みを軽々と飛び越え、タイヤメーカーとしての船出をした柴田自動車。既存ブランドのタイヤを輸入販売するのではなく、柴田達寛代表みずから開発にタッチし一から作ったオリジナルタイヤ「シバタイヤ」をリリースしている。本格展開は2021年に入ってからではあるが、ミニマムロットから慎重にローンチするかと思いきや、あれよという間にサイズラインアップは急拡大。

 「こんなサイズを待ってました」「納得のグリップ性能なのにめっちゃ安い」などの声に代表されるように、隙間を突く絶妙なマーケティングが市場から大喝采で迎えられ、華麗なるスタートダッシュを飾ったのはご存じの通り。メディア上でもシバタイヤのスマッシュヒットのニュースは駆け巡り、その余波でさらなるオーダーが殺到。まさに「バズってる」渦中にある。

 本数を記してもピンと来ない方もいるかもしれないが、このペースで推移すればシバタイヤだけで初年度実績として10万本の出荷を達成しそうな勢いだという。クルマ1台あたり4本のタイヤを交換するとして、2万 5000人のオーナーに愛されている計算だ。よちよち歩きを始めたばかりのタイヤメーカーとしては驚異的な数字であることは容易に理解できるだろう。



SHIBATAの「S」にも通じる稲妻のモチーフのグルーブ。スポーツラジアルらしいグッドルックなトレッドパターンだ。



ワンポイントのチェッカー柄もいい感じ。


現在は、単一のケース剛性にいくつかのコンパウンドを揃えている展開だが、今後コンピューター支援設計を進めていき、インナーワイヤーのチューニングなど、さらなる最適化を進めていく意向だ。


みんなの声で進化するシバタイヤ
ハチマル世代の支持率急上昇中


 このブレークの背景には、徹底したユーザーファーストの姿勢がある。まずはそのサイズラインアップ。供給側が「売れそうなサイズ」を揃えるのではなく、徹底したユーザーサーベイにより「市場が求めている」サイズを揃えていることだ。これは大手メーカーにはまねできない小回りの良さだ。


「よく喰い、乗り心地も悪くなく、思ったより減りが少ない」と、いいことずくめのシバタイヤだが、それでも改善の余地はある。こうしたたくさんのユーザーから集まった意見を、開発・生産を担当する中国メーカー、レイダンの現地エンジニアへ母国語で伝えられるスタッフも擁するのが柴田自動車。商品改良のスピード感も電光石火で、それはロットごとに性能が向上するほどだ。


 また、何より画期的過ぎるのが、1サイズに複数のコンパウンドの仕様を揃えていること。パワーや車格に見合ったグリップ性能を選択できるのはもちろん、ドリフト車両においては最後までしっかりグリップしつつ使い切れる点が熱烈に支持されている。

 柴田代表の脳内妄想を具現化したこれらの斬新なコンセプトは見事なまでに潜在ユーザーの掘り起こしに成功した。評判が評判を呼び、SNSを中心としたイマドキの拡散力で販売代理店もあっという間に1000件を超えた。街で見る機会もこれからもっと増えるだろう。

 今後のサイズ展開に関してはスパイ対策で伏せられている部分も多いが、誰もが仰天するサイズが多数用意されていることだけはお伝えしておこう。

 できるだけリーズナブルにお客さまにお届けするため、生産国である中国からの物流網もできるだけ簡素化。シバタイヤ商品紹介のウェブページも最小限の作りで、注文は公式ラインからのみという潔さ。諸物価の高騰で4月1日からわずかながら値上げされたが、それでも高い価格競争力を誇っている。

 これぞ「街の車屋の立身伝」。同時代に生を受けたことを誇りに思いたい。




R31 HOUSE 代表 柴田達寛さん
「超ハイグリップのコンパウンドもテストしていますのでタイムアタック志向の皆さん、市販を楽しみにしてください。そしてここだけの話ですが『シバホイール』も計画中です。震えて待ってください。」


入荷したそばから売れていくので、公式LINEくらいのスピード感でないと最新の在庫状況はキャッチアップ不可能だ。今後、ジムカーナ参戦車両からの声を反映したサイズや、超ワイドリムの旧車用のびっくりサイズなどが続々、追加予定となっている。シバタはニュースにあふれてる。 ※S=Sタイヤ。



実は坂祝町はイタリア・マラネロ市と姉妹都市の関係にある。ここを視察に訪れた柴田代表が、フェラーリのレストアファクトリー「ザナシィ」を見学した際、徹底したクリーンな環境でクラシックカーがレストアされていく姿を見て天啓を受けた。そして着手したのが広大な新工場の建設だ。2022年の竣工へ向け、プロジェクトは着々と進んでいる。


INFORMATION
柴田自動車株式会社 シバタイヤ事業部
〒505-0071 岐阜県加茂郡坂祝町黒岩1081
tel 0574-25-5011
営業時間 10:00~18:00
http://www.r31house.co.jp/

text: Kiyoshi Hatazawa/畑澤清志

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