自動車業界を襲ったオイルショック。NAPSの採用で排ガス規制をクリアしたフェアレディZ|1976年式 日産 フェアレディ Z-L  Vol.1|フェアレディZの気概

エクステリアは後期型でもほとんど変わっていない。後期型の特徴は、バンパー下のエアアウトレットが6カ所設けられていて、シリーズ中最も多い。ボディカラーにホワイトとグリーンメタリックが加わり全6色となる。ブラックアウトされたフェンダーミラーは従来品だが、1976年7月以降の最終型はタルボ型のミラーに変わる。

       
【1976年式 日産 フェアレディ Z-L Vol.1】

 スポーツカーの世界に新風を吹き込み、空前のヒット作となったのがダットサン240Zである。日本専用モデルのフェアレディZも順調に販売を伸ばし、その素晴らしさを多くの人に知らしめた。1974年1月には2+2レイアウトの「2by2」を仲間に加え、さらに輝きを放っている。

 この時期、自動車業界を襲ったのがオイルショックだ。第4次中東戦争が勃発したのを受け、1973年10月に原油価格が大幅に引き上げられたのである。エネルギー源を中東の石油に依存していた先進工業国の経済はパニックに陥り、エネルギー計画の軌道修正を迫られた。フェアレディZに代表されるスポーツカーも例外ではない。当初はスケールアップ版の260Zを日本市場にも投入する予定だったが、それを見送っている。また、燃費向上のための早急な対策も迫られた。

 その最初の回答が、1975年9月に行われたマイナーチェンジだ。L20型水冷直列6気筒SOHCのエンジン内部にメスを入れるとともに、大がかりな排ガス浄化システムを組み込み、昭和50年排ガス規制をクリアした。排ガス浄化システムを導入しただけではない。SUツインキャブを廃し、これに代えて電子制御燃料噴射装置ニッサンEGI(50型)を装着したのである。

後期型でもほとんど変わっていないエクステリアなど【写真6枚】




Vol.2、Vol.3に続く

【2】ドーム加工されたシリンダーヘッド、新設計のピストン。排ガス浄化システム追加だけではない数多くの変更点|1976年式 日産 フェアレディ Z-L  Vol.2

【3】ご存知でした? 2シーターの車台番号はS30‐140001から|1976年式 日産 フェアレディ Z-L  Vol.3

1976年式 日産 フェアレディ Z-L(A-S30)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4115mm
全幅 1630mm
全高 1295mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355/1345mm
最低地上高 150mm
室内長 820mm
室内幅 1390mm
室内高 1075mm
車両重量 1115kg
乗車定員 2名
最高速度 190km/h
登坂能力tanθ 0.46
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 L20型
エンジン種類水冷直列 6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78.0×69.7mm
圧縮比 8.6:1
最高出力 130ps/6000rpm
最大トルク 17.0kg-m/4400rpm
変速比 1速 3.321/2速 2.077/3速 1.308/4速 1.000/5速 0.864/後退 3.382
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 65L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 前後とも独立懸架ストラット・コイル
ブレーキ 前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも6.45H14-4PR
発売当時価格 152.6万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年10月号 Vol.165(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1976年式 日産 フェアレディ Z-L(全3記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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