SUツインキャブ+直結5速MTを搭載した本格派|1972年式 日産サニークーペ1200 GX5 Vol.1|痛快スポーツモデル

精悍なブラックのフロントグリルに装着された「GX5 SPEED」のエンブレムが、本格的レーシング仕様のGX5の証し。

       
【1972年式 日産サニークーペ1200 GX5 Vol.1】

 1966年元旦の新聞に、日産から1Lクラスの新型車が発売されるにあたり、車名を一般公募するという広告が掲載された。応募数848万件、車名候補は38万通りにおよんだ。その中から、「明るくて快活で、若々しい新型車のイメージにふさわしい」という理由から「サニー」が選ばれ、初代B10サニーが1966年2月に発表された。

 2代目となるB110は、1970年1月に登場。搭載するエンジンは、B10から受け継いだ傑作のA型エンジンを排気量アップした直列4気筒OHV、1.2LのA12型を搭載。このA型エンジンは、軽量で経済的なエンジンであるばかりでなく、低回転域での柔軟性と高回転まで軽快に回る特性を備えていて、レーシングエンジンとしてのポテンシャルも高かった。しかも、A12型からは、クランクシャフトの支持をA10型の3ベアリングから5ベアリングに改良し、ポテンシャルを高めていた。また、フロントの足回りに関しては、B10のダブルウイッシュボーン+横置きリーフから、本格的なマクファーソンストラット式独立懸架に変更することで、コーナリング性能も大幅に高めることに成功している。

 このB110サニーのスポーティーグレードとして、SUツインキャブを装着した「GX」が1970年4月に追加ラインナップ。さらに、1972年8月には、5速ミッションを搭載する「GX5」が新たに追加された。

フロントグリルに装着された「GX5 SPEED」のエンブレムなど【写真6枚】



Vol.2、Vol.3に続く


1972年式 日産サニークーペ1200 GX5(B110)
SPECIFICATIONS 主要諸元
●全長 3825mm
●全幅 1515mm
●全高 1350mm
●ホイールベース 2300mm
●トレッド前/後 1240/1245mm
●最低地上高 170mm
●室内長 1620mm
●室内幅 1270mm
●室内高 1095mm
●車両重量 705kg
●乗車定員 5名
●最高速度 160km/h
●登坂能力tanθ 0.53
●最小回転半径 4.1m
●エンジン型式 A12型
●エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
●総排気量 1171cc
●ボア×ストローク 73.0×70.0mm
●圧縮比 10.0:1
●最高出力 83ps/6400rpm
●最大トルク 10.0kg-m/4400rpm
●変速比 1速 3.757/2速 2.374/3速 1.659/4速 1.254/5速 1.000/後退 4.040
●最終減速比 3.900
●燃料タンク容量 38L
●ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
●サスペンション前/後 ストラット・コイル独立/半楕円リーフリジッド
●ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
●タイヤ前後とも 6.00-12-4PR
●発売当時価格 65.5万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年7月号 Vol.163(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産サニークーペ1200 GX5(全3記事)

関連記事:サニー

関連記事:痛快スポーツモデル

photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING