共用部品はフロントのサブフレームくらい!? UP10パブリカのコンポーネントをベースとして開発されたスポーツカー|1969年式 トヨタ スポーツ800 Vol.2|痛快スポーツモデル

パブリカの派生車種でありながら、共用部品はフロントのサブフレームくらいしかなかった。

       
【1969年式 トヨタ スポーツ800 Vol.2】

 1965年4月、UP15の型式を持つトヨタ スポーツ800が発売された。空冷水平対向2気筒OHV、697ccのU型エンジンを搭載したUP10パブリカのコンポーネントをベースとして開発されたスポーツカーで、パブリカの派生車種でありながら、共用部品はフロントのサブフレームくらいしかなかった。最大の特徴は空力性能に優れたそのボディで、フロントフード、ルーフ、トランクリッド、バンパーなどにはアルミ合金を使用。また各部に樹脂パーツも使い、車体の軽量化に対して心を砕いた設計となっていた。そのかいあってカタログデータ上の車両重量は580kgをマーク。スポーツカーとして圧倒的な優位点を持っていた。

マイナーチェンジでアルミ地色から黒塗りに変更されたステアリングスポークなど【写真6枚】

 一方、エンジンはU型をベースに排気量を790ccに拡大した2U型を搭載。ツインキャブレターでチューニングして、45 psの最高出力を実現した。
 スポーツ800のデビューから1年間は、スポーツが0.8Lでパブリカが0.7Lというエンジン排気量の違いがあったが、66年4月にパブリカがモデルチェンジを敢行。UP20となったことで、ともに0.8Lの2U型エンジンを搭載することになった。




Vol.3、Vol.4に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年7月号 Vol.163(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1969年式 トヨタ スポーツ800(全4記事)

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photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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