ゴールド、イエロー、ブラック。そしてアンフィニ。記憶に残る限定車|今では考えられない限定車たち Vol.2|THE限定車

装備やボディカラー、そして車両そのもの。さまざまな限定車がリリースされた。

       
【今では考えられない限定車たち Vol.2】

Vol.1より続く

 筆者が一般向けの特別限定車として記憶にとどめているクルマは、4代目のケンメリ・スカイラインに設定された「ゴールドカー」だ。1976年9月18日と19日に日産プリンスの販売店ではスカイライン誕生20周年記念のフェアを開催している。このときに2000GTX‐Eをベースに、ブロンズゴールドメタリック塗装、ワインレッド内装、ゴールド記念バッジ付きのスカイラインを売り出した。発売されたのは限定400台だ。

 その後もスカイラインは積極的に特別限定車を送り出し、一時はプレミアム価格も付いていた。今でもセンスがいいと思っているのは、1978年9月の感謝祭で売り出した「シティボーイ」だ。鮮やかなイエローのボディカラーをまとい、ミシュラン製ラジアルタイヤのXVSやシビエ製のハロゲンフォグランプ(オスカープラス)、アンダープロテクターなどの特別装備が付いていた。当時は高根の花だったヨーロッパの名門ブランド品が装備されていたから、目を輝かせたものだ。

 また、トヨタもセリカLB2000GTに特別限定車の「ブラックリミテッド」を設定した。これはセリカ累計登録100万台を記念して送り出されたもので、385台を販売している。これに続いてレビン/トレノにもブラックリミテッドを設定した。ヨーロッパ車にはこの手の特別限定車が多い。日本でもVWビートルやゴルフの特別限定車を発売した。

 台数限定の特別仕様車が一気に増殖するのは80年代だ。日産は創業50周年の節目に、特別限定車をワンサと出している。また、カー・オブ・ザ・イヤー受賞を記念して特別装備を加えた限定車も登場した。

KATAOKA’s FAVORITE

FC3SサバンナRX-7の特別限定車、「アンフィニ(∞)」の装備など【写真4枚】

 子どものころ、マツダのロータリーエンジンに衝撃を受け、好きになった。今でも鮮烈な印象を残しているのが、FC3SサバンナRX-7の特別限定車、「アンフィニ(∞)」である。試乗したのは雨の日だったが、手足のように扱え、しかも群を抜いて速かった。オン・ザ・レールの正確なハンドリングとさえたフットワークを披露し、ドリフトも自在だ。2シーターで、BBSやMOMOといった一流ブランド品が付くのもいい。


FC3S RX-7 ∞


アンフィニはバージョンⅠからⅣまでリリースされ、Ⅰは1986年8月に300台、Ⅱは1988年1月に300台、Ⅲは89年9月に600台、Ⅳは1990年6月に600台の限定。各バージョンで仕様は異なるが、MOMO本革ステアリングとBBSアルミは定番装備だった。


Vol.3、Vol.4に続く


初出:ハチマルヒーロー 2013年5月号 Vol.021(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

今では考えられない限定車たち(全4記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA / 片岡英明

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