高速道路で遭遇したJT191の隊列走行のカッコよさにひかれて|1992年式 いすゞ ジェミニ イルムシャー R タイプコンペティション Vol.3|THE限定車

スポーツグリルも限定車の特徴。

       
【1992年式 いすゞ ジェミニ イルムシャー R タイプコンペティション Vol.3】

Vol.2から続く

 エクステリアこそ既存のイルムシャーと大差ないが、細部にその違いが見て取れる。フロントのスポーツグリルや専用カラーのホイール、ロゴ入りのルーフスポイラーなどがそれだ。しかし、タイプCの真骨頂はエンジンにある。基本的なメカニズムは標準車と変わらないものの、ヘッドの燃焼室や各ポートなどを研磨。加えてピストンやコンロッド、クランクシャフトのフルバランス取りが行われ、標準エンジンでは味わえないスムーズな吹け上がりを可能にしているのだ。また、N1耐久や全日本ラリーで培ったノウハウが生かされたサスペンションを組み、ポテンシャルを飛躍的にアップさせている。

 残念ながら、JT151/191を最後にジェミニはレースシーンから姿を消したわけだが、サーキットで暴れ回る姿は今でも多くのファンの記憶に残っていることだろう。

モデレートブルーに塗装されたタイプCのヘッドカバーなど【写真7枚】

隊列走行のJT191を見てとりこになりました。


OWNER’S VOICE/岡田 進さん

 これまで、JT150、JT191ハンドリング・バイ・ロータス、そして現在のタイプCと、ジェミニばかり乗り継いできた岡田進さん。現在はこのタイプCのほかにFFのタイプCも所有しているという、根っからのジェミニフリークだ。

 しかし、免許を取得したときは今ほどクルマに対して興味はなく、初の愛車であるJT150も、家族が所有していたものを譲り受けたのだとか。

 そんなオーナーを一変させたのが、高速道路で遭遇したJT191の隊列走行。そのときのカッコよさと衝撃がきっかけで、JT191ハンドリング・バイ・ロータスを購入。そしてオーナーズクラブのミーティングに参加したのだが、今度はそこで見た真っ赤なイルムシャーに一目ぼれ。どうせならと限定のタイプCを探し、入手したそうだ。

「今日まで、周囲の人の協力もあってジェミニに乗ってくることができました。今後もお世話になりつつ、一日でも長く大切に乗っていきたいです」と意気込みを語ってくれた。


1992年式 いすゞ ジェミニ イルムシャー R タイプコンペティション(JT191S)主要諸元 Specifications
全長×全幅×全高(mm) 4195×1680×1390
ホイールベース(mm)  2450
トレッド前/後(mm) 1430/1405
車両重量(kg)  1190
エンジン型式  4XE1型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1588
ボア×ストローク(mm) 80.0×79.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 180/6600
最大トルク(kg-m/rpm) 21.2/4800
変速比 1速 3.909/2速 2.150/3速 1.448/4速 1.027/5速 0.829/後退 3.583
最終減速比前 / 後 4.117 / 3.909
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前 / 後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 195/50R15(前後とも)
発売当時価格 224.5万円

初出:ハチマルヒーロー 2013年5月号 Vol.021(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1992年式 いすゞ ジェミニ イルムシャー R タイプコンペティション(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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